この参考書のレポート
- 総合満足度
-
-
- わかりやすさ
-
-
- 見やすさ
-
-
- 使い勝手
-
-
- 使い始めた時期
- 高校卒業後 ・7月
-
- 使用期間
- 1ヶ月〜3ヶ月
使い方レポート
関先生らしい安定の一冊。 共通テスト英語対策の現状の最適解。
さて、各社からだんだんと共通テスト対策参考書が出てまいりましたね!
今日は、いち早く、カリスマ英語講師の関先生が執筆された『共通テスト 英語が一冊でしっかりわかる本』をざっくりとレビューをしていましょう。
まずは、本書からは少し離れますが、かんき出版の大学受験向けの学参が増えていることが最近気になっていること。
やはり、『英単語の語源図鑑』の爆発的ヒットで、会社側にもさまざま書籍を出版する余裕があるんですかね?
共通テストに関しては、他社に先駆けて、関先生や兵頭先生などの超のつくような一流執筆者を取り揃えて全教科のシリーズものとして展開予定の模様ですから、注目ですよ!
1.関先生の“いつも”のパターン
さて、本書に関してですが、内容的には「関先生らしい共通テスト向けの入門参考書」という感じですね。様々な意味で「安定」の一冊です。
まず、リーディングについて言えば、関先生は、小手先のテクニックを嫌い、とにかく「きちんと一文一文を読む」ということを長文読解のメインに据えられており、本書もそれを踏襲しています。
さらには、「文法・語法」の知識の重要性を何度もおっしゃっており、「基礎を大切に」という関先生の姿勢が貫徹された一冊です。
その意味では、「とてもオーソドックス」な一冊であり、目新しさはありません。「本格派」の読解系参考書と言う意味では、それが売りであるともいえるわけですね。
また、リスニングについても同じ。「文法・語法」の知識に基づいて、「全体をきちんと聞き取る」という「本格的なリスニング力」を前提とした説明が行われています。
2.効率的な情報処理を意識した出題パターン別の解答法
「1」の一方で、リーディングもリスニングも共に、具体的に共通テストの問題に対応するにあたって、出題パターンごとに対応法を明記してくれており、その意味で、学習価値は十二分にありますね!
「限られた時間を有効活用して、最短経路で確実に解を導く」ための解法を紹介し、それを具体的なプレテストの問題で実演解説することで、「自分が何をすべきか」が明確にわかります。
ただし、テストの解答率を目覚ましく上昇させてくれるような「魔法のアイテム」ではなく、結局は、至ってシンプルな全問題に共通するような解法ばかりです。
そのため、「本書をもとに、具体的に読解・リスニング練習を積みましょう!」という姿勢の、まさに共通テストの英語の入門的一冊ですね。
現在ごく少数しかない共通テスト向け参考書では、英語部門として相対的に信頼できる一冊です!
3.利用価値の高い 「今後の対策」 パート
さて、本書の特長ですが、各出題パターンの解説の後についてくる「今後の対策」のパートはとても秀逸です。
今後の学習の中で集中的に覚えるべき表現が、相当な網羅性で記載されており、これらを確実に覚えていけば、必ずや力がつくことでしょう。
ただ、「分量が相当多い」ことと、「丸暗記調の羅列」になっていることは正直残念です。
もちろん紙幅の限りがありますし、この「追加資料」的な本部分の解説に時間を費やしていては本末転倒なのですが、「脱暗記」の関先生をもってすれば、ところどころで余白に説明を付随する等、もう少し工夫が欲しかったと思います。
うーむ、改訂版に期待ですね…!
4.良質!英語力そのものを高める 「英語の核心」 パート
最後に、「さすが関先生!」というべきなのは、随所に出てくる「英語の核心」パートに見られる、英語力そのものを高めてくれるような、キレ味バツグンのわかりやすい解説です。
関先生の別の著書に見られるような、文法や語法等の様々な基本知識の解説が要所要所にちりばめられており、「関イズム」をしっかり感じる一冊になっています。
ここも当然、本書の美点になりますね!
~「今すぐ共通テストの英語対策をはじめたい!」という方は、本レビューを参考に、まずは本書の使用をご検討されてはいかがでしょうか?~