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大学生と高校生の違いって何…?~現役大学生4名による座談会~【後編】

2022.11.09

受験勉強を頑張るモチベーションとして「大学でのキャンパスライフをイメージしている」という人、「大学生活がどんな感じか知りたい」という人へ。
現役大学生4名が「大学生と高校生の違い」「リアルなキャンパスライフ」について語り尽くします。異なる大学・学部に通うメンバーですが、大学での学びの内容からお金の使い道・友達に関することまで、幅広く話してみると共通点もたくさん…!
大学入学後に待っている世界を、ちょっと覗いてみましょう。

*この記事の前編はこちら

~登場人物~
・Tさん:大学3年生。専攻は日本語・日本文学史。
・Oさん:大学3年生。専攻は法学。
・Hさん:大学3年生。専攻は土木工学。
・Nさん:大学3年生。専攻は日本史。

1. 大学入学Before/Afterで感じたギャップ

-Tさん:
大学の学びは入学前のイメージから変わった?
-Nさん:
私は変わらなかった。高校生の時、大学選びは失敗したくないという気持ちが強くて、色んな大学を徹底的に調べて、オープンキャンパスで学生と直接話したりしていたからかな。史学科は学びの内容をイメージしやすいのかも。
-Hさん:
僕は変わったかな。イメージしていたのは「大講堂で教授の講義を一方的に聞く」ような授業の雰囲気だったけれど、実際は人数が少ない学部だったから、概論の授業を座学形式で受けた後にその場で問題を解いている。学生同士でディスカッションをしたりするなどアットホームな雰囲気がある。
高校まではカリキュラムがしっかりしているので、解いていて分からないことがあっても理解不足が原因のことが多くあるけど、大学は授業で習っていないことを既に習ったかのように進んでいくこともあるので、自学自習が求められる。授業に対する姿勢が受動的から能動的に変わった。
-Nさん:
自分で調べようとしないと何も進まないよね。
-Hさん:
教授も自分で調べる姿勢を求めるよね。
-Nさん:
ここから先は自分で調べて、みたいな。それがそのまま課題になったり。
-Hさん:
情報を取りに行く力がないと大学生はなかなか厳しいよね。高校生まではありとあらゆる情報をプリントでもらったり先生が教えてくれたりしたけれど、大学ではそんなことは一切ない。「自分から積極的に行動する」ことは心構えとして持っておくべきだね
-Tさん:
確かに。私は大学の教授に”この授業で伝えることは100%正しいとは限らない”って言われたことが一番印象的かも。高校では教科書に載っていることは正しい前提で勉強しているけど、大学はまさに研究が進められている場だから、どんな論説でも結局ひとつの考え方に過ぎない。自分で考えようって姿勢が大事だね。
-Oさん:
学ぶことも学ばないことも、自由に選択できるようになったよね。大学生になるといわゆる「楽単」と呼ばれる単位の取得が簡単な科目の情報が重宝されたりするようになる。簡単に単位をとって卒業することも、自分の専門をどんどん深めることもどちらも選べて、どちらも容認されていることに驚いたよ。
-Tさん:
入学してから興味のある分野は変わった?
-Nさん:
入学当時は中世史、特に仏教や仏像と政治の関係性に興味があったけれど、今は現代史に興味がある。入学前の「なんとなくこの分野に興味がある」という状態から、大学で学んでいくうちにやりたいことが具体的になった。
-Hさん:
僕は橋や道路といったインフラ設備、構造物の設計に興味があったけれど、今では交通工学から都市計画・まちづくりに関わりたいと思っているよ。交通渋滞がなぜ発生しているか、どの公共交通機関を利用するのが最適なのか、などについて分析方法を勉強していきたいかな。
-Oさん:
民法や刑法といった基礎科目よりも、より実践的な内容に興味が変わった。職業選択にも影響しそう。
-Tさん:
大学入学時は日本文学全般に興味があったけど、大学で学ぶうちに日本語学という学問に出会って、興味がそちらに向くようになった。定量的な調査や方言などの身近なテーマに魅かれた。

2. キャンパスを楽しもう!授業時間以外はどう過ごす?

-Nさん:
みんなは空きコマなどの「授業がない時間」はどのように過ごしているの?
-Oさん:
私は図書館によく行く。大学に「100円朝食」があるから活用しているよ。大学生活ってパソコン片手に過ごすことが多いよね。授業中も課題をする時もパソコンが欠かせない。
-Nさん:
私もパソコンが欠かせないから毎日持ち歩いているよ。パソコンを持たない日はなんだか不安になるくらい(笑)お昼ご飯はみんなどうしてる?
-Hさん:
大学生になって外にごはんを食べに行く機会が圧倒的に増えたね。
-Tさん:
大学ごとにご飯を食べに行く土地も変わるよね。私は大学近くの大きめな街に行くイメージ。
-Nさん:
私は大学周辺の穴場のお店に行くのが好き。ランチだからお手頃価格で食べられる。普段はコンビニでごはんを買うことがほとんど。学食は週に1~2回利用するかな。私の大学の学食は行くたびにメニューが変わっているから飽きることなく食を楽しめているよ。
-Oさん:
お昼は空きコマがあるなど余裕がある時でない限り、大学外では食べないかな。お弁当を持参したりコンビニで購入したりすることも。大学構内の空きスペースで食べるよ。昼休みはどの大学も50分くらい。学食は人がたくさんいていつもごった返しているよ。

3. お金やSNSの使い方…現役大学生の”リアル”

-Tさん:
大学生って何かとお金がかかるよね。
-Nさん:
ひとり暮らしでどれくらい仕送りがあるか、アルバイトの収入によっても使えるお金は変わるよね。みんなは何にお金を使ってる?
-Oさん:
食費にお金がかかっているなあ。
-Nさん:
私も食費と、趣味がたくさんあるからそこでもお金を使っているね。
-Hさん:
それと大学生が使う教科書ってとっても高価だよね。1冊数千円することがほとんどだから、学期によっては合計数万円…なんてこともあったなあ。でも買ったけれどあまり使わなかった…なんてことも多々。
-Oさん:
他にも大学生って旅行や友人との食事などにお金がかかるようになる印象かな。また団体ごとにかなり差があるけれど、サークルや部活に入るとそこでもお金がかかるよね。
-Hさん:
実家暮らしかひとり暮らしか、というのも大きな要素だよね。
-Tさん:
私は実家暮らしだから、支出は趣味や交際費にほぼ直結。そんなに使っているつもりはないのに月末に計算してみると何故か必ず数万円は超えていて…。
他にもサークルでは現役で最高学年になったので奢ったりもしているとすぐ出費が嵩むなあ。旅行も好きなので2、3ヶ月に1回は2万〜3万円くらいで旅行に行くよ。
-Hさん:
大学生は趣味に使える時間が増えるよね。旅行や観劇など、みんな好きなことに時間を使っているね。
-Tさん:
実家暮らしは食費や生活費などがかからないのと、家事は分担されているので負担としてはあまり大きくない。ただ、夜遅くなると心配をかけてしまうので、連絡はマメにしているかな。実家に自分の部屋がないのでオンラインのミーティングなどちょっと不便な時もある。
-Nさん:
私は寮生活だけど、ほとんどひとり暮らしと変わらないと思う。洗濯や料理など生活に対して時間を割く必要があってそれが大変。食費などを自分で支払うから生活にとてもお金がかかっていることを実感したよ。自己管理が大事だね。でも学部を超えた友人ができたことは大きいと思う。
-Hさん:
大学には高校までのようなクラスがないから、友達をつくるのも大変だったよね。
-Nさん:
連絡先交換にはLINEも使うけれど大半がInstagramだったことにびっくり。入学式の日に大学の正門で急いでアカウント作った記憶があるよ。
-Hさん:
授業の情報をTwitterから得ることもあるよ。
-Nさん:
インスタなどで繋がって、同級生の顔は知らないけど連絡先を知っている、ということもしばしばだよね。
-Oさん:
初回授業前にインスタでつながっている人もいた、Twitterは使うのが少し怖いかな…。
-Tさん:
Twitterは情報を得るために「見るだけ」でツイートはしないかな、インスタは時々使っているよ。
-Nさん:
私も同じ感じだね。
-Tさん:
大学生は遊び方も変わるよね。
-Hさん:
友達とご飯を食べに行って、お酒を飲むことが多くなった。
-Oさん:
共通の趣味を持つ人と仲良くなると楽しいよね。大学で学部の友達ができることに加えて、インカレ(※)に属していたら、他大の友達も増えるから遊びに行く場所も幅広くなるよね。
(※インカレ‥‥インターカレッジ(Intercollegem / Intercollegiate)の略語。複数の大学による合同サークルのこと)
-Hさん:
夜更かし・オール(※)はしないほうがいいよね…。でも1回時間を無駄遣いしてみるのも人生経験としてはありかもしれないね。二度としないと思えたよ。
(※オール‥‥「オールナイト」の略。徹夜して何かをすることを指す際に使う)
-Nさん:
学部によると思うけれど、高校生の時に比べて自由に使える時間が多いからこそ、いろんなことを経験すべきだよね。

4. まとめ

授業・ゼミ・卒論と、大学での学びの場や方法は高校までと大きく異なることが、大学生たちの話からわかりましたね。学術の領域や環境が大きく広がるといったこと以上に、「学ぶことも学ばないことも自由」「授業で扱っている内容が全て正解とは限らない」「自分から情報を取りに行く必要がある」など、”学びへの姿勢”そのものが、高校から大きく転換するといった語りが印象的でした。
一方で大学での研究も、高校生・受験生時代の学びがベースとなるというのもまた事実。大学で将来の自分のキャリアに繋がるような知見を得るためにも、入試対策を含む高校からの「準備」や、大学に入ってからの目的意識はとても重要となるようです。
学び・遊び・人脈と、全ての世界が広がる大学生活が今から待ち遠しくありませんか?――毎日の勉強がつらいと思う時は、志望大学に通う自分をイメージしながらひと息ついて、頭のギアを入れ直しましょう!

*この記事の前編はこちら

StudiCoサポーター Y.T. M.O. Y.H. M.N.
Y.T.:お茶の水女子大学 文教育学部 合格 M.O.:上智大学 法学部 合格 Y.H.:中央大学 理工学部 合格 M.N.:青山学院大学 文学部 合格