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【上智の英語】現役上智生が解説!上智大学入試の特徴と入学後の学び

2022.12.26

留学生やネイティブの英語話者が多く通う上智大学。そのため、入学時に課される英語試験のレベルも高いと言われています。その上智大学に通う現役大学生が、上智入試の英語試験と入学後の学びについて解説します。
時には専門的な対策が必要となる大学ごとの英語試験対策。上智大学を志望する受験生は、ぜひ参考にしてみてください!
(StudiCoサポーター M.O. / 上智大学)

1. 上智大学の基本情報

1-1. 上智大学の規模と特徴

上智大学は東京都新宿区の四ツ谷に位置し、東京駅や渋谷まで10分、新宿まで5分と交通の便もよく、最寄りの四ツ谷駅からは徒歩3分ほどで大学構内に着くことができます。大学周辺はオフィス街であるため静かで落ち着いており、勉学に適した地域にある大学といえるでしょう。
また、上智大学は1つのキャンパスに看護学部以外全ての学部がそろっています。教養科目などの全学共通授業の受講や学内活動において、文理を問わずさまざまな観点を持った学生に出会うことができるので、多様な価値観の形成がしやすいといえるでしょう。
大学図書館は、平日は朝8時から22時まで開館しています。たくさんの専門書を始め、日本全国そして海外の新聞と雑誌がそろっているので、日々の学習や研究へ有効に活用することができます。

留学生や英語話者が多いことも特徴の1つです。キャンパスを東西に横切るメインストリートを歩いていると、自然と外国語が聞こえてきます。英語で専門科目を学ぶ授業も多く開講されているので、「英語を学ぶ」のではなく、「英語で学びたい」人も学習意欲を満たすことができるでしょう。
ハラルフードに特化した学生食堂があったり、全ての食堂でビーガンフードが提供されていたりなど、多様性が尊重されています。

1-2. 上智大学の学部

大学の学生の規模は12,000人ほどで、1つの学部に平均1,500人程度在籍しています。
文学部、神学部、外国語学部、総合人間科学部、国際教養学部、総合グローバル学部、法学部、経済学部、理工学部があります。
上智大学の中でも特殊な学部・学科としては、神学部と国際教養学部、法学部の地球環境法学科、文学部の新聞学科が挙げられるでしょう。

2. 上智大学入試の英語

2-1. 上智大学入試の概要

上智大学の一般入試は以下の3方式で実施されています。

 1. TEAPスコア利用方式、
 2. 学部学科試験・共通テスト併用方式、
 3. 共通テスト利用方式

*2023年度入試の情報です。入試方式は毎年変わっているので、詳しくは大学のホームページ入試情報サイトを確認するようにしてください。

授業が全て英語でおこなわれる国際教養学部、理工学部英語コース、SPSF(※)は、特殊な入試方式がとられています。
※SPSF‥‥Sophia Program for Sustainable Futures の略称。受験(出願)時に学科を選択し、Sustainable Futuresをテーマにした共通科目を英語で学ぶ学位取得プログラム。

上記以外全ての学部・学科で全方式を実施しており、出願資格を満たしていれば、各方式内の複数学部・学科や3方式の併願が可能です。学部・学科によっては2段階選抜が実施されるので、詳しくは大学ホームページ入試情報サイトを確認してみてくださいね。

2023年度現在、英語の試験が実施されているのは以下の3つの学部(学科)です。
・文学部英文学科
・経済学部経営学科(英語選択受験方式)
・外国語学部
・総合グローバル学部(一部英語設問あり)
上記以外の学部では英語の個別試験は課されておらず、日本英語検定協会が運営する英語能力試験である「TEAP」のスコアや、共通テストの「英語」科目試験の結果が利用され、各学科が設定する配点方式に基づいてスコアが換算、最終的に合否が判断されます。

2-2. TEAPとは

「TEAP」および「TEAP CBT」は、主に高校生を対象に大学入試での利用を想定して開発されたテストです。
テスト構成・レベルは、日本における「大学教育レベルにふさわしい英語力」を測るよう設計されています。「読む」「聞く」「書く」「話す」の英語四技能別のテストがあり、「読む」つまり「リーディング」試験では、特に大学での生活や学業において必要な英語力が求められます。
年に3回試験がおこなわれており、スコアは獲得してから2年間大学入試で利用することができます。高校2年次から大学受験年度までの事前受験が可能なので、十分に対策を実施して高いスコアを提出できるようにしておきましょう。

なお、「TEAP」4技能試験別の具体的な対策方法はこれらの記事にまとめています。ぜひ参考にしてみてください。
>> TEAPリスニング対策大全 ~スコア獲得8割以上を目指す人のための黄金ルールとおすすめ問題集~
>> TEAPリーディング対策大全 ~スコア8割を目指すためのテクニックとおすすめの問題集~
>> TEAPスピーキング対策大全 ~勉強法・対策のイロハとおすすめ問題集~
>> TEAPライティング対策大全 ~高得点獲得のためのテクニックとおすすめの参考書・問題集~

2-3. TEAP受験を通した合格体験記

一般入試ではありませんが、実際私も高校時代に受験した「TEAP」のスコアを利用して、上智大学に入学した1人です。(最終的に合格が決まった入試方式は「カトリック高等学校対象特別入学試験」
医療費や科学研究費の制度設計を法学的観点から学びたかったことから、高校3年生の時に法学部の受験を決意しました。私立大学を軸に志望校を選んでいましたが、通常の大学にはないスタディツアーが組み込まれた留学制度などを魅力に感じて、最終的には上智大学を第一志望に据えました。
元々「TEAP」は高校2年生の秋に受けており、この時獲得したスコアが当時の入試要件を満たしていたことから、秋に選考が実施される特別入学試験に出願しました。その後、「志望理由書」「小論文」「面接」といった関門もあったのですが、TEAPスコアで英語資格試験の出願要件を満たして早めに対策準備に取り掛かれたことは大きいと思います。入試方式や学部・学科によって必要スコアは異なるので、志望する学部・学科の目安を確認してみてください。
結果、高校3年生の10月頃には上智大学の合格が決定したのですが、その後は大学1年次の必須英語授業の受講免除を目指し、TEAPのさらなる高スコアの取得を目指しました。11月後半のTEAPに向けて1ヵ月間対策を徹底し、本番では20点近くスコアを更新、必修英語授業4単位分の受講免除を受けるに至りました。こうして大学入学前から、未来の大学生になった自分に投資できる仕組みはおもしろいですよね。

2-4. 上智大学・一般入試の英語

2022年度現在、英語の試験が実施されている学部(学科)の各英語試験について、実施要領は以下の通りです。

●文学部英文学科
・試験時間:75分
・マークシート(リーディング) / 記述(ライティング)
●経済学部経営学科
・試験時間:75分
・マークシート(リーディング)*一部語彙に関する記述問題あり
●外国語学部
・試験時間:60分
・マークシート(リーディング)

*2022年度入試の情報です。最新年度の情報については過去問集等で必ず確認するようにしてください。

出題される英語長文の長さは1000字程度、スピード感を持って解くことが求められます。
また、課されている問題の種類としては、一般的な読解問題・正誤判断・空所補充までさまざまです。
英語長文は、一部英検1級レベルの単語が使用されていますが、外国語学部の入試問題には語注が設けられていないので、より高い英単語力を身につけておく必要があるでしょう。

文学部英文学科では、リーディング問題に解答した上で、その文章に基づくライティングが課されます。
2022年度入試においては、リーディング問題で「食糧問題」が問われたことを受け、ライティング問題では「このテキストで述べられている世界の食料問題に関する歴史的問題を、小学生に対して分かりやすく順序だてて説明する文章を120ワード以内の文章で書きなさい」という問いが与えられています。
普段から英作文に慣れておく必要があることに加え、「小学生に対してわかりやすく」という条件の下で、よりかみ砕いた分かりやすい文章をライティングする必要がある難問といえるでしょう。

3. 上智大学入学後の英語事情

上智大学では入学時に最難関レベルの英語試験が課されていますが、実際大学に入学した後には、カリキュラムの中でどのように英語が活きてくるのでしょうか。実際に上智に通う大学生の立場から紹介します。

3-1. 英語を使った授業や活動

1年生のうちには、レベル別の必修英語授業、年に2回のTEAP受験が義務付けられています。どの学部においても全て英語でおこなわれる英語開講科目が設置されており、日本にいながら留学時と同じような環境に身を置くことも可能です。
また学内に留学生も多く、「留学生サポーター」という活動を通して、留学生の日本での生活をサポートしたり、留学生向けの日本語講座にボランティア講師として参加したりなど、日常生活で留学生との関わりの機会が多く用意されています。
語学が堪能な人もそうでない人も、無料で受けられる学内語学講座に申し込むことができるので、在学中に語学力を伸ばすことができます。

3-2. 留学プログラム

上智大学では、半年から1年単位の一般的な交換留学に加えて、短期語学留学、短期海外研修、海外大学院の特修コースなどが用意されています。
短期海外研修では、ニューヨークの国連本部を訪問する国際公務員養成講座や、アフリカや東ティモールなどへのスタディツアーなどの機会が用意されており、これらは上智大学ならではのグローバル人材教育プログラムといえるでしょう。
TOEFLのスコアとGPA(成績を数値化したもの)によって派遣が決定するため、日常の成績と英語力を一定以上保持しておくことで、異文化や高度な学術研究に触れることができるチャンスを増やすことができます。
海外交流に興味がある上智志望生は、留学プログラムもチェックしてみてくださいね。

4. まとめ

上智大学には多様な入試方式があり、入学後の圧倒的なグローバル環境が魅力となっています。
特定の学部では個別の英語試験も課されるなど、受験生の英語力・思考力が存分に問われる難関入試というハードルはありますが、そのぶん入学してからの充実した学術環境は折り紙つき。
グローバルな夢がひろがる上智大学――志望生はしっかり英語対策をした上で受験に臨んでください。応援しています!

StudiCoサポーター M.O.
上智大学 法学部 合格