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【東大生のお悩み相談Q&A】 受験生の夏休み!大学合格を引き寄せる計画の立て方と実行ルール

2019.07.18

「夏を制する者は大学受験を制する」というフレーズは、あちこちで聞かれるのではないでしょうか。受験生にとっての夏休みは、勉強に時間をたっぷり充てられる絶好のチャンス。この貴重な1か月半をどのように過ごすべきか、東大合格を勝ち取った先輩の実体験をもとに、自分の夏休み勉強プランを考えてみましょう。入念に計画を立ててそれをしっかり実行すれば、受験生の夏を自信を持って乗り切れるはず! 

1. 夏休みの誘惑に負けず、受験勉強に集中するには…?

Q:夏休み、勉強しなくちゃいけないのはわかってるんですが、色々な誘惑があって受験勉強だけに集中できるか不安です。

【東大生の回答】

夏休みは勉強に多くの時間を費やせる絶好のチャンスです。とはいえ、生活すべてを勉強時間にするというのは難しいことです。
私は高校3年の6月末まで部活をやっていたため、他の人より受験勉強が遅れているという意識がありました。そこで、毎日10時間勉強することを目標に据えて夏休みに臨みました。
私の高校では9月末に文化祭があり、クラスで劇を出すことになっていました。私は役者と舞台制作の仕事があり、毎日午前中は劇の練習か舞台制作に費やしていました。私は文化祭も勉強も妥協したくなかったので、時間の使い方を細かく考えました
まず、自宅から学校までの移動時間の有効活用を考えました。満員電車で通学していたため、移動時間を勉強に充てることはできませんでした。そこで、移動時間は気持ちをリセットすることに使おうと考えました。朝の通学は起きてからできるだけ早く出発し、「眠気を覚ます」ための時間に、夕方の帰宅は勉強に疲れて来た頃に「休憩して集中力を取り戻す」ための時間に使うよう心がけました。
また、限られた時間を有効に活用するため、中途半端なことはしないように気を付けました。
劇練習の時は劇のことだけを考え、勉強のことは忘れる。勉強中は、劇のことは忘れる。移動中は好きな音楽を聴き、劇も勉強も忘れるようにしていました。勉強は確かに苦行でしたが、劇の練習はクラスメイトと交流でき楽しかったですし、音楽もとても好きだったので、しっかり切り替えそれぞれにのめりこむことで、精神的なバランスもとることができました。
色々と工夫したのですが、毎日10時間の勉強というのは厳しく、最後は睡眠時間を削ることになってしまいました。一番短い時には、3時間ほどしか睡眠時間を確保できていませんでした。この生活を体調も崩さず何とかやっていけたのは、部活で体力がついていたことが大きいと感じています。
受験前の冬には体力も落ち、体調を崩しかけたこともあったので最低でも6時間は眠るようにしました。睡眠時間を削るのは体調を崩したり集中力が落ちたりとデメリットが大きいので、あくまでも最終手段であり、おすすめはできません。ただ、時間の使い方や気持ちの切り替えについては、勉強のモチベーションを高く保つことに繋がったので良かったと考えています。
私の経験が少しでもみなさんの参考になれば幸いです。
(東京大学 理学部 S.T)

2. 夏休みからの勉強で受験に間に合わせる方法とルール

Q:部活を引退したばかりで、ほとんど手を付けていない科目もあります。夏休みから勉強すれば間に合うでしょうか?

【東大生の回答】

私は高校3年の夏までほぼ毎日部活をしていたこともあって、数学と英語以外勉強しておらず、夏前の物理と化学の成績が壊滅的でした。そのため、夏休みは物理と化学を重点的に勉強する予定を立てて、その通りに勉強を進める努力をしました。
まず、予定の立て方についてですが、高校物理または化学の範囲がひと通り網羅されている問題集を用意します。そこに載っている問題の数を夏休みの勉強ができる日数で割ります。
次に、だいたい4~6問を1時間で解くとして1日に物理または化学に充てる時間を決め、後は実行するだけです。
1時間フルで使うのではなく、前もって決めた問題数(ここでは4~6問)を解いたら1時間勉強したことにするというルールで勉強を進めると、やる気と集中力が出ますよ早く解けたらその分、他のことに時間を使えるからです。
夏休み中に問題集を2周できるとベストではありますが、1周できればいいと思います。間違えた問題には印をつけてあとで復習してくださいね。問題集を1冊完璧に解けるようになれば、物理と化学はだいたい知らない問題に対しても応用が利くようになります。
いくつもの問題集に手を出すよりはひとつの問題集を完璧にするとよいというのは、学校でも塾でも言われると思いますが、それをできている人は少ないですね。私はそれを信じて勉強した1人なので、この言葉が正しいと信じています。夏の終わりには物理・化学の成績は平均点くらいにはなりました。
夏休みの勉強をする時に家で勉強する人も多いと思いますが、家には誘惑が多いですよね。漫画とかゲームとか...。集中が途切れてくるとどうしてもこういったものに手が伸びてしまう経験は、みなさんあると思います。
本当に勉強に集中したいなら、そういったものには手が届かないようにすることが必要です。勉強する場所から物理的に手が届かないようにする、つまり勉強する場所からそういったものを遠ざけると、割と集中が続くと思いますよ。思いっきり遠くにするほどよいかと思います。試してみてください。
夏休みはまとまった時間が取れる、勉強するには最高の時間です。物理・化学に限らず自分の不得意な科目を集中的に勉強しましょう
また、期末テストの復習も忘れずに。頑張ってください。
(東京大学 農学部 T.K)

3. 自信を高める!受験生の夏休み計画

Q:大事な夏休み、受験生として絶対に後悔したくありません!計画を立てる上で注意すべきことを教えてください。

【東大生の回答】

私は私立大学を1年で中退し、その後1年間の自宅浪人を経て、東京大学に入学しました。夏休みは自分の自由になる時間が多いという点で、宅浪の環境と共通点が多いと思いますので、私が浪人の期間に努力した点、苦労した点などをお伝えします。
宅浪の間、私は毎朝6時前に起きて図書館や自習室、時期によっては予備校の講習に通い、深夜1時頃に寝るという日々を送っていました。
この生活の中で努力した点が複数あります。
最も大切にしていたことは、ただがむしゃらに勉強するのではなく、「この参考書を◯日までに終わらせる」といったような大きな計画を立て、それをもとに1日1日の細かな計画を立てるということです。
進捗状況を常に目に見える形にし、それを確実にこなすことで、自分はこれだけやっているのだから大丈夫、という自信につなげていました。ただ計画をガチガチに入れすぎると、万が一こなせなかった時にやる気が完全に削がれたり、その後の計画が崩壊したりする可能性があるので、予備日や休息日を作り、ある程度余裕を持たせた計画作りをしていました。
苦労した点もありました。
浪人だったために競う相手が周りにおらず、月に1回程度行われる模試で自分の位置を知るしかなかったですし、分からない問題や疑問があっても質問する人がいないので、自分で解答や解説を見て理解するしかなかったのです。医学部受験で大切な面接対策も1人でやるしかないので、1人で頭の中で面接のシミュレーションをしなければならなく、かなり大変でした。もう二度と同じ経験はしたくないと心から思いましたし、今も思います。
ただこの1年間で勉強はもちろんのこと、孤独がゆえに自分を見つめ直す時間があったからこそ、今の自分がいるわけで、これからの人生もあるわけです。苦しいですが必ず得るものもあります
つらつらと語りましたが、少しでも参考になれば幸いです。
(東京大学 医学部 H.R)