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【新課程】理系必見!無機化学の勉強法とレベル別おすすめ参考書6選

2023.04.27

理系科目「化学」は、文系も履修する「化学基礎」に比べて扱う内容が難しくなります。なかでも「化学」から学習する「無機化学」では覚えるべき内容が多く、何から勉強を進めればよいか分からない場合もあるでしょう。
「これから無機化学を勉強するけど不安だらけ…」「無機化学が苦手で点数が取れない…」――そんなお悩みをこの記事で解消しましょう!
「無機化学」を理解する上で意識すべきことや、自習に適した難易度別のおすすめ参考書を紹介します。

※この記事では主に、2023年度の高校1・2年生が対象となる〈新課程〉における「化学」の内容について扱います。履修および大学受験時の学年についてご注意ください。

1. 無機化学の特徴

「化学」科目は「理論化学」「無機化学」「有機化学」の3つの分野から構成されています。「無機化学」は「理論化学」「有機化学」に比べて学習する分野は少なく、「理論化学」と関連の強い分野になります。したがって、「理論化学」の基本事項について6~7割以上理解してから、「無機化学」の勉強を進めるようにしましょう。
また、大学受験の「化学」は、他の理科3科目(物理、生物、地学)に比べると、暗記が必要な“知識”と、理解が必要な“計算過程”がバランスよく問われます。「化学」のなかでも「無機化学」では“知識”を問われることが多く、重箱の隅をつつくような難問は少ないことから「化学」の得点源となる分野といえるでしょう。したがって、「無機化学」では基礎レベルの“知識“をいかに完璧に暗記し、問題を解く上で適切に利用できるかが合否の分かれ目となります。”知識”の網羅性が高く自分の好みに合った問題集を1冊選んで、確実に内容を習得できるまで繰り返し演習して対策することが必要です。

2. 【新課程】無機化学の全体像~各単元の特徴~

「無機化学」では大きく分けて、(1)化学反応式(2)イオン分析(3)気体の製法・性質(4)典型元素(5)遷移元素の5つの単元を学習します。全単元で共通して覚えるべき内容がとても多いため、単なる丸暗記に走らずに理論からじっくり理解することが大切になります。各単元を学習する上で押さえるべきポイントについて簡単に紹介するので、ぜひ勉強計画に役立ててください。

2-1. 化学反応式

「酸と塩基の反応」「酸化還元反応」「加熱による反応」「イオンの反応」について学習します。各反応に関連する化学反応式について、イチから自力で導出できるようになることがこの単元でのゴールです。
「理論化学」で学ぶ「中和反応」「酸化剤・還元剤」「イオン化傾向」といった基本事項について十分理解できていると、この単元の学習を順調に進めることができます。

2-2. イオン分析

陽イオンの定性分析をマスターするために必要な知識は大きく分けて6つです。

[1]沈殿生成反応

水溶液中にどのようなイオンが含まれているか調べるには、主に沈殿生成反応を利用します。各陰イオンとの反応において、水に難溶なイオン結晶を覚えておく必要があります。

[2]イオン・化合物の色

各反応において生成する沈殿の種類が複数考えられる場合、その沈殿(化合物)の色によって水溶液にどのイオンが含まれていたかを判別できることがあります。

[3]炎色反応

アルカリ金属元素の陽イオンは沈殿生成反応では分析できないため、炎色反応によって陽イオンを判別する必要があります。

[4]沈殿を再溶解させる方法

2種類以上の沈殿が生成した際に、さらにイオン分析を進める方法として用いられます。具体的には以下の3つの方法があります。

・中和反応の利用

・弱酸遊離反応の利用

・錯イオン形成反応の利用

[5]鉄イオンの検出

鉄(II)イオンFe²⁺と鉄(III)イオンFe³⁺の判別手法について2種類を押さえる必要があります。

・ヘキサシアニド鉄酸カリウムを用いる方法

・チオシアン酸カリウムを用いる方法

[6]ハロゲン化銀の反応

銀イオンAg⁺の判別と併せて問われることがあります。具体的には以下の3つの内容について理解しましょう。

・水への溶解度

・アンモニア水を加えた場合

・チオ硫酸ナトリウム水溶液やシアン化カリウム水溶液を加えた場合

これら全ての知識を一度に理解することは難しいため、計画的に反復しながら覚えましょう。基本的な陽イオンの定性分析の流れを、自力でイチから図に作成できるようになると、十分に知識が定着したといえます。
また、頻出度は低いですが、陰イオンの定性分析についても問われることがあります。陽イオンの定性分析と併せて重要事項を押さえておきましょう。

2-3. 気体の製法・性質

「気体の製法」については、自力で化学反応式が書けるようになることを目標に学習を進めましょう。今まで学習した化学反応の中で、どの種類に該当するかを紐づけながら暗記すると知識どうしが結びつき、単なる丸暗記にならずに勉強の負担が少なくなります。「気体の性質」では、入試頻出の〈色・臭い・毒性・水溶液の液性〉をまずは押さえましょう。
そのほかに、気体の「検出方法」「発生装置」「乾燥剤」「捕集装置」について理解する必要があります。これらの内容については覚えるべき分量が比較的少ないため、短期間で学習を進めましょう。

2-4. 典型元素

元素周期表のうち、1族(アルカリ金属元素)、2族(アルカリ土類金属)、両性元素(Al、Zn)、14族(C、Si)、15族(N、P)、16族(O、S)、17族(ハロゲン)をメインに扱います。各元素の単体や化合物について、性質や重要な反応を覚えていくことになります。覚える分量は他の単元に比べてとても多いため、計画的に勉強を進めましょう。
大学受験では単体・化合物の「工業的製法」に関して広く問われます。以下の代表的な製法の流れや化学反応式について、抜けなく押さえましょう。

・イオン交換膜法(NaOHの工業的製法)

・アンモニアソーダ法(Na₂CO₃の工業的製法)

・ボーキサイトの精錬・溶融塩電解(Alの工業的製法)

・接触法(H₂SO₄の工業的製法)

・ハーバー法(NH₃の工業的製法)

・オストワルト法(HNO₃の工業的製法)

2-5. 遷移元素

元素周期表の3族から11族までを「遷移元素」といい、主に鉄Fe銅Cu銀Agなどの単体や化合物の性質について学習します。
典型元素と同様に、遷移元素の工業的製法も大学入試で頻出です。鉄Feや銅Cuの工業的製法について、流れを押さえながら学習を進めましょう。

3. 【新課程】無機化学の勉強におすすめの参考書6選

「無機化学」の学習内容の理解や問題の解法習得に役立つ参考書・問題集を、レベル別に厳選して6冊紹介します。

※この章で紹介する参考書は現行課程(2023年度の高校3年生が対象)の「化学」を取り扱っている書籍を含みます。購入の際は改訂版書籍が刊行されていないか、事前にチェックをお願いします。

3-1. 定期テスト対策レベル

宇宙一わかりやすい高校化学 無機化学 改訂版 宇宙一わかりやすい高校化学 無機化学 改訂版
理科
化学
宇宙一わかりやすい高校化学 無機化学 改訂版
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船登惟希 水谷さるころ
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宇宙一わかりやすい高校化学 無機化学 改訂版』(学研プラス)

無機化学の基本事項について、1単元につき見開き1~2ページで簡潔にまとまっています。見開き左ページでは、各単元の重要事項について要点を押さえつつ、実生活での具体例を交えてわかりやすく説明されています。右ページでは図表が用いられ左ページに書かれた内容がイメージしやすくなっており、語呂合わせやイラストを通じて重要事項が記憶に残りやすい構成になっています。
別冊として問題集も付いており、本書の理解度を確認することができます。問題数は少ないため、他の問題集を併用するのがおすすめです。
「これから無機化学の勉強を始める」「無機化学が苦手で何を覚えればいいかわからない」といった場合におすすめの1冊です。

 

橋爪のゼロから劇的にわかる無機・有機化学の授業 改訂版 橋爪のゼロから劇的にわかる無機・有機化学の授業 改訂版
理科
化学
橋爪のゼロから劇的にわかる無機・有機化学の授業 改訂版
0
橋爪健作
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橋爪のゼロから劇的にわかる無機・有機化学の授業 改訂版』(旺文社)

無機・有機化学の基本事項について、色分けを駆使してわかりやすくまとまっています。なかでも化学反応式について、半反応式から導出する過程や係数のつけ方など、細かく解説されています。各単元の説明の中でポイントとして重要事項がまとまっているため、一読で要点を把握することができます。
練習問題が単元ごとに用意されているため、その都度理解度を確認することができますが、問題数は多くないため、他の問題集を併用して演習量を増やしましょう。
教科書レベルの基本事項を丸暗記に頼らず、大学受験で適切に利用できるように理解することができるため、定期テストレベルから大学受験への橋渡しとなってくれる1冊です。

3-2. 大学入試対策レベル

大学受験Doシリーズ 福間の無機化学の講義  四訂版 大学受験Doシリーズ 福間の無機化学の講義 四訂版
理科
化学
大学受験Doシリーズ 福間の無機化学の講義 四訂版
4.7
福間智人/著 鎌田真彰/監修
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大学受験Doシリーズ 福間の無機化学の講義 四訂版』(旺文社)

大学入試における無機化学の重要事項について、要点を押さえてわかりやすく説明されています。各テーマの終わりには「入試突破のポイント」として入試で問われやすいところがまとまっており、受験勉強に役立ちます。
練習問題には実際の入試問題が使われているため、理解度をチェックできるだけでなく、取り上げられている知識をしっかり理解することの大切さを、問題演習を通して実感することができます。問題数は少ないため、他の問題集を併用して演習量を増やしましょう。
別冊として「入試で使える最重要Point総整理」が収録されており、赤シートを使って重要事項を効率よく覚えることができます。定期テストや入試直前の総確認として活用しましょう。
どのレベルの大学を受験する場合でも、無機化学の基礎固めとしておすすめの1冊です。

その他に大学入試の応用・発展問題対策レベルの問題集として、次の3冊をおすすめします。

化学基礎一問一答【完全版】2nd edition 化学基礎一問一答【完全版】2nd edition
理科
化学
化学基礎一問一答【完全版】2nd edition
0
橋爪健作
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化学基礎一問一答【完全版】2nd edition』(ナガセ)

理系大学受験 化学の新研究 第3版 理系大学受験 化学の新研究 第3版
理科
化学
理系大学受験 化学の新研究 第3版
0
卜部吉庸
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理系大学受験 化学の新研究 第3版』(三省堂)

2023 実戦化学重要問題集 化学基礎・化学 2023 実戦化学重要問題集 化学基礎・化学
理科
化学
2023 実戦化学重要問題集 化学基礎・化学
4.7
数研出版編集部
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2023実戦 化学重要問題集 化学基礎・化学』(数研出版)

これらの参考書は以下の記事でも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
>> 【新課程】理系必見!理論化学の勉強法とレベル別おすすめ参考書6選

4. まとめ

「無機化学」は「理論化学」と関係の深い分野であり、「理論化学」「有機化学」に比べて覚えるべき内容がとても多いです。本記事で紹介したおすすめの参考書を有効に利用しつつ、「理論化学」の復習も並行して計画的に勉強を進めましょう。
また、大学受験対策としては「理論化学」を完璧に理解してから「無機化学」「有機化学」に進むのではなく、「理論化学」を6~7割ほど理解できたら「無機化学」「有機化学」の好きな方から学習を始めましょう。「理論化学」での学びで「無機化学」の理解度をさらに高め、「有機化学」も含めてバランスよく勉強を進めていくことが合格への近道です!

StudiCoサポーター Y.H.
中央大学 理工学部合格