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共通テスト対策《科目別》の攻略法! ~各科目の“クセ”を掴んで得点力を磨く~

2021.12.06

令和3年度から始まった大学入学共通テスト(以下、共通テスト)。国公立大学を一般入試で受験する場合はほぼ必須で、「共通テスト利用方式」という形で私立大学も一部導入している、受験生にとって大変重要な試験です。では、共通テストを受験するにあたって、どのような対策に取り組めば良いのでしょうか?
共通テストの問題には他の試験と異なる特徴があり、得点を取るためにはポイントを押さえた学習が大切です。この記事では科目別に共通テスト攻略のために知っておきたいポイントをレクチャーします。

1. 共通テストで押さえるべきポイントは?

共通テストの試験全体で押さえるべき基本的なポイントは以下の4点です。

  1. 共通テスト特有の“クセ”を知った上での対策が必要。選択肢に注意。
  2. 時間配分に注意する。
  3. マークミスをしないために、大問ごとにマークするなどの工夫をおこなう。
  4. 他の入試で必要な科目や受験全体のことを考えて計画を立てる

この記事では1番目の「共通テスト特有の“クセ”」を科目別に解説しますが、これ以外のポイントもどれも重要なので、共通テスト対策を進める時には常に頭に入れておきましょう。

*共通テスト対策の基本情報・ポイントについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてください。
>> 共通テスト対策で押さえるべき基本ポイント!過去問演習はいつから?何年分?

さて、共通テストを攻略するためには、他の入試問題と異なる出題形式や解答方法を理解し、本番前に慣れておく必要があります。選択肢の出題タイプや解答を導き出す方法を掴み、問題選択などと合わせて戦略を立てましょう。それらの特徴を掴むためには過去問を使って実際の問題に触れることも重要ですが、その前に、科目別の基本的な特徴と対策方法について、この記事で学んでおくと安心です。

2. 共通テスト「国語」のポイントと基本攻略法

課題本文を読む前に、設問をチェックして問われている箇所を確認しておきましょう
「現代文」の評論・小説については絞りにくい選択肢が多いので、正答を十分に見極める必要があります。そのためには、過去問でどのような選択肢が用意されているのか、どれが正答でどのように解答を絞るのかを掴まなければなりません。
本文の「内容を問う」問題の中には、配点が1問6〜8点と高く、ミスを重ねると大きな失点になってしまうものもあります。本文と照らし合わせて、「より正解に近いものを選ぶ」というイメージで解くようにしましょう。
「漢文」と「古文」は「現代文」に比べると短い時間で解答できるので、古典の問題から解くのも1つの手段です
「現代文」の評論で漢字、小説で語句問題、「古文」「漢文」でも語句・文法漢字の基礎的な問題が出るので、ここでは必ず点を落とさないようにしたいところです。

3. 共通テスト「数学」のポイントと基本攻略法

「数学」でまず注意したいのが、受験する科目の問題を間違えないようにすることです。問題冊子が『数学1 数学1A』、『数学2 数学2A』で各1冊になっているので、「数学1A」と「数学2B」を解く人は冊子を開いて最初に出てくる「数学1」「数学2」を解かないように注意しましょう。
「数学」の問題は記述式解答ではなく、最初から数値や論理を導くルートが決められています。問題を解く時には、うまくこれらの誘導に乗ることが重要になってきます。独特の形式に慣れるためにも、「数学」については少し早めの時期に過去問などを見ておく必要があるでしょう。
また、「数学1A」「数学2B」は第3問〜第5問が選択問題で、3問中2問を選ぶ形式になっています。「数学1A」では「場合の数と確率」「整数の性質」「図形の性質」、「数学2B」では「確率分布と統計的な推測」「数列」「ベクトル」の中から選ぶことになりますが、年によって難易度が多少異なります。
国公立大学二次試験や私立大学入試との兼ね合いや、得意・不得意に合わせて、《3問の中から当日どれでも選択できるようにする》《あらかじめ得意な2問に絞って勉強する》など、戦略を練る必要があります。

4. 共通テスト「英語」のポイントと基本攻略法

「英語」はセンター試験から共通テストに変わり、特に変更点が大きい科目であるため、センター試験の過去問を使った学習には注意しましょう
「リーディング」では、従来のセンター試験で毎年出題されていた「発音・アクセント問題」、「文法・語法問題」などが全て無くなり、英文読解中心の問題構成になりました。令和3年度の第1回本試験では、メールのやり取りなど比較的短い英文から、パッセージの多い説明的な英語長文まで幅広い題材が取り上げられています。
こういった英文読解問題は他の個別入試でも扱われるため、受験に臨む上で、共通テスト対策がそのまま英語の軸となる得点力を鍛えることにつながります。
気をつけたいのが、時間配分と集中力を持続させることです。読み取り問題が連続するので、大問の解く順番を工夫して、自分の取り組みやすい段取りを掴んでおきましょう
「リスニング」については、センター試験から全体的な語彙の範囲が増え、第3問〜第6問で英文が1度しか読み上げられないなど難化した面もあり、しっかりとした対策が必要になっています。受験勉強期間は継続して英語を聞き、耳を英語に慣らして情報を処理する訓練を積みましょう。
「リーディング」で文法・語法問題が無くなったからといって、文法や単語がわからなければ正確に英文を読めませんし、聞き取った英語を理解できません。文法や語法の学習も怠らないようにしましょう。

5. 共通テスト「理科」のポイントと基本攻略法

「理科」については、まず受験する科目の選択を間違えないようにしましょう。
受験する科目は本番当日に選択することができますが、「理科1」(基礎つきの科目)から2科目、「理科2」(基礎なしの科目)から1科目、「理科1」から2科目と「理科2」から1科目、「理科2」から2科目など、選択パターンは出願時に選択しなくてはなりません受験する大学が課す共通テストの利用方法を必ず確認しましょう
「理科」は解くのに計算が必要な問題もありますが、解答が選択式なので、導くべき正答の数値はある程度限られています。文章やグラフから読み取る問題もあるので、基本的な知識だけでなく、大問ごとに示される〈論理の流れ〉を掴むことも必要になります。
「理科基礎」については対策を効率的におこないましょう。出題範囲が限られているので、しっかりと問題の傾向を掴み、得点につなげられるよう過去問を用いると良いでしょう。

こちらの記事では、理科基礎の共通テスト対策について詳しく紹介しています。
>> 【共通テスト】理科基礎科目の勉強におすすめの参考書・問題集を紹介!

6. 共通テスト「地歴公民」のポイントと基本攻略法

「地理歴史・公民」の科目は「数学」同様、「地理歴史」の問題で1冊、「公民」の問題で1冊にまとまっているので、A科目とB科目など受験する科目を間違えないようにしましょう。
「地歴公民」科目の出題形式の1つに、語句に関する内容が4択で問われるという問題があります。こちらについては「正しいもの」「誤っているもの」のどちらを問われているのかに注意しつつ、解答を選ぶ必要があります。また、選択肢の内容にひっかけもあるので、どのように選択肢が作られているのかを知り、共通テストの大まかなパターンに慣れる必要があります。そのためには過去問を繰り返し解いておきましょう。
また「世界史」で出題される文章などは、最初から終わりまで全て読まなくても解答できるものもあります。過去問で問題形式に慣れ、限られた時間の中で必要な情報を得る訓練をしましょう。
「地理」については、資料を読み取る問題が中心になり、単純な暗記だけでなく提示された資料に対して自分の知識を正しく用いてアプローチすることが求められます。基本的な知識を身につけてから、どのようにその知識を運用するのか、過去問などで確かめながら学習する必要があります。

7. まとめ

共通テストを攻略するための科目別のポイントと、基本的な対策法を紹介してきました。
各科目、実戦的な受験のイメージを膨らませながら、要点を押さえておきましょう。

  • ●国語……選択肢の見極めをしっかりとおこない、大きな失点を抑える。現・古・漢の解く順番を工夫する。基本問題を落とさないようにする。
  • ●数学……解く問題を間違えないようにする。問題の誘導にうまく乗って解答を導く。選択問題は事前に戦略を立てる。
  • ●英語……リーディングは読解力と集中力をつけ、時間配分に気をつける。リスニングは耳を英語に慣らすための対策を中長期的におこなう。文法・語法演習も怠らない。
  • ●理科……受験する科目を間違えないようにする。大問ごとに示される〈論理の流れ〉を掴む。基礎科目は効率的な対策を心がける。
  • ●地歴公民……解く問題を間違えないようにする。選択肢や出題のパターンを掴み、それに合わせて基本的な知識を運用する力をつける。

このほか、マークミスをしないための方法や全体的な時間配分について、共通テスト全体に関わる基本ポイントも押さえておきましょう。

こちらの記事も、ぜひ合わせて読んでみてくださいね。
>> 共通テスト対策で押さえるべき基本ポイント!過去問演習はいつから?何年分?

StudiCoサポーター Y.T.
お茶の水女子大学 文教育学部合格、早稲田大学 文学部合格、明治大学 文学部合格、津田塾大学 学芸学部合格