2025年度からスタートする新課程共通テスト。公民分野では「公共」が必須となり、2科目目をどの科目にしようか迷う人も多いのではないでしょうか?共通テスト科目の中でも、比較的点数を取りやすいのが「倫理」です。勉強法に迷うこともあるかもしれませんが、倫理は基本的には暗記科目であり、他の科目と比べ少ない勉強時間で得点力を伸ばしやすいと言われています。この記事では、新課程共通テストで倫理(「公共、倫理」)を選択する受験生に必要な対策内容と、陥りがちな勉強のNG例、おすすめの参考書・問題集を紹介します!
※この記事は2018年12月に書かれた内容を一部最新の情報にリライトして投稿したものです
1. 倫理の特殊性と共通テストでの「倫理」
1-1. テストにおける倫理の特殊性
テストというものは基本的に、点数に差をつけ受験者の理解度を数値化させるという目的を持っています。しかし、倫理のテストを作ることは非常に難しいことです。なぜなら、思想や考え方についての問題を選択肢で問おうとすると、「考え方によってはこっちも正解でOKでは?」というクレームが起きやすいからです。そのため、倫理のテスト問題を作成すると、どうしても哲学者の作品名や重要ワードについて正誤を問う形の出題になりやすくなります。つまり倫理はテストにおいて、試験内容そのものをあまり難しくすることができないという特殊性を持っているのです。
1-2. 倫理は暗記科目である
人物に関連した情報や重要ワードについての正誤を判断させる問題が多いということは、倫理は基本的に暗記科目ということになります。つまり世界史や日本史と同様に、「努力した分だけ結果になる」「覚えてしまえば高得点を狙える」科目と言えます。また、倫理はある程度、受験で扱われる範囲が決まっているので、世界史や日本史のように膨大な勉強時間をかけることなく高得点を狙える科目なのです。
1-3. 共通テストでの出題
共通テストで倫理を選択するということは「公共、倫理」を受験するということになります。 第1問…公共
大学入試センターが提示している令和7年度試作問題『公共、倫理』によると、共通テストでの「公共、倫理」は、次のように構成されています。
※こちらは試行問題を元に作成しているため、実際の入試では異なる場合があります。参考程度にご覧ください。
第2問…公共
第3問…倫理(源流思想・西洋近代思想)
第4問…倫理(日本思想)
第5問…倫理(青年期・現代思想)
第6問…倫理(現代思想・西洋現代思想)
公共分野は「公共、政治経済」と同一問題となっています。
倫理分野について考えた時、特筆すべきは第3問~第6問でしょう。4つの大問の中に様々な要素がちりばめられているため、全てを満遍なく勉強し、理解することが必要になってきます。新課程共通テスト地歴公民は旧課程から大幅な科目変更がありますが、倫理分野においては旧課程と内容面で大きな差はないようです。したがって、これまでの共通テストの過去問を利用した対策は十分有用といえましょう。
共通テストの倫理を攻略するためには、まず問題形式に慣れることが最も重要です。一見して問題の文章量の多さにびっくりしてしまうかもしれませんが、問題形式をしっかり理解しておけば冷静に取り組むことができるようになるでしょう。
2. 倫理のおすすめ勉強法
倫理は人によって学習の進め方に偏りが出る科目ですが、正しい進め方を理解しておけば勉強時間を短縮できる科目です。
倫理の効率的な勉強法として、以下のような学習の進め方を紹介します。
- 教科書知識を覚える
- 問題集や過去問を解く(出題傾向を知る)
- 解説を読み理解する
教科書知識を覚える上でやってしまいがちなのは、「必要以上に深く理解しようとすること」です。倫理が好きな人は、内容を掘り下げ過ぎてしまうことがあるのですが、全ての範囲に対して密度の高い学習を求めていくと、到底時間が足りなくなります。暗記する科目だと割り切り、頭をスッキリさせて勉強するのも必要という考えを持っておきましょう。
ある程度知識を覚え、問題を解く段階になると、国語の「読解力」も必要となります。問題を解くためには文章の意図を正しく理解する必要があるため、国語の現代文レベルの読解力を持てるようにトレーニングしましょう。
また、倫理の問題は、最近話題となったニュースから出題されることもあります。そのため、話題のニュースや最新の時事問題などをチェックしておくことは非常に大きなアドバンテージとなります。
この2つの力、「読解力」と「時事知識」を効率よく身につける勉強法として最もおすすめなのが、「新聞を読む」ことです。新聞を読むことで長文への抵抗感をなくせば、問題が出題された際にも焦ることもなくなるでしょう。
ここで重要なのが、インターネットニュースではなく新聞の紙面で文章を読むことです。ネットのニュースは効率よく内容を伝えるために、詳しい背景や因果関係などを割愛していることがあります。そのため、新聞の紙面でより多くの情報量を処理しながら読む方が、より効果的な倫理の試験対策になるのです。また、近年では資料の読み取り問題なども増加しているので、新聞に掲載されている資料や図などを見ながら読み取れることは何か考えながら読んでいくといった工夫をしてみるのも良いかもしれません。
3. 大学個別試験での「倫理」
共通テスト以外にも、倫理を試験科目として取り入れている大学があります。ここでは、個別試験としての「倫理」科目について触れておきます。
各大学の「倫理」の入試問題では、論述の技術を求められることがあります。特に有名なのが筑波大学や信州大学で、これらの大学では論述問題が出題されています。
こういった論述問題では思想自体の理解が必要不可欠ですが、文章の構成なども、ある程度の慣れが必要になってきます。自分の目指す大学の試験内容を再度確認しておきましょう。
また、論述問題では、書いていくうちに文章が矛盾してしまうことがよくあります。そのため、自分の考えを簡潔に整理して文章化できるかどうかがポイントとなります。
この際、文章構成を「起承転結」に沿ってまとめてから書き出すということも意識しましょう。思いつくままにキーワードを入れて記述しようとすると、全くまとまりのない文章になってしまうため、面倒でもしっかり構成できる練習をしましょう。
文章構成が苦手な人は家族や友達などに協力してもらい、理論的に物事を話せるようにするトレーニングが有効です。日常的に頭の中でしっかり物事を考えてから話せるようになると、簡潔にまとまりのある文章を書けるようになります。
4. おすすめの参考書と問題集 1冊選ぶなら?
基本的な倫理の勉強法としては、あまり多くの参考書や問題集に手を出さずに1冊をしっかりマスターするのがよいでしょう。倫理の参考書や問題集はそこまで多くありませんが、おすすめを1冊ずつ紹介します。
4-1. おすすめ参考書
有名な参考書で知っている人も多いと思いますが、『蔭山の共通テスト倫理 改訂版』(学研教育出版)をおすすめします。
講義形式の参考書で、所々にカラフルなイラストが挿入されているため、視覚的に要点をおさえていくことができます。全体の流れをとらえるには最適な参考書で、まず勉強の基礎となる枠をしっかり頭に入れることができます。
なお、読む時には黙読でなくキーワードを音読していくと、より効果的に学習することができるでしょう。
4-2. おすすめの問題集
紫色の表紙が印象的な、『倫理基本問題集』(山川出版)がおすすめです。
記述式と選択式の問題がバランスよく収録されており、模試や共通テストで、具体的にどういった内容がどのように出題されるのかを理解することができます。
5. まとめ
倫理は入試対策の勉強と割り切って考えれば、点数を取りやすい科目です。倫理が苦手だという人も、勉強するメリットを見出せたのではないでしょうか。
最後に倫理の勉強法やコツをおさらいします。
●教科書知識をしっかり覚えてから問題を解く ●内容を必要以上に深掘りせず、暗記科目として割り切って勉強する ●読解力や時事知識を養うために新聞を読むのもよい ●個別試験の論述問題は「起承転結」を整理してから書き出す
倫理は勉強のコツさえつかめていれば「努力が報われる」科目です。点数を確実に取れるようになれば、倫理をもっと好きになるでしょう。そしてその科目は、きっと大学受験での武器になるはずです!