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大学入試の地理対策で知っておくべき効率的な勉強法と用途別のおすすめ参考書・問題集

2018.12.03

地理は、共通テストや私立大受験、国公立大2次試験の選択問題など、様々な場面で必要とされる科目ですが、一方で、他の教科の勉強に気を取られて、つい後回しになりがちな科目でもあります。
この記事では、時間が限られた受験生におすすめの、地理の効率的な勉強法と参考書・問題集を紹介します。

1. 短期間で地理の対策を仕上げるための3要素

次の3つの要素をしっかりとおさえて学習を進めることで、短期間で効果的に地理の受験対策を仕上げることが可能となります。

  1. インプット ~知識を得る~
  2. アウトプット ~問題を解く~
  3. 実戦演習で得点力アップ

地理の対策では、やみくもに暗記や過去問演習をするよりも、このような段階を踏んだ勉強法が効果的です。以下、この3つの要素について詳しく解説します。

2. 地理の勉強法(1)インプット ~知識を得る~

地理の勉強においては、まず知識をしっかりと「インプット」して理解することが重要です。
時間が無いのに知識をゼロから身に付けるところから始めるとなると不安に思うかもしれませんが、適切な順序で学習に取り組めば、インプットにはそれほど時間はかかりません。
インプットにおける適切な順序は、「系統地理」→「地誌」という順です。

2-1. 「系統地理」を先に学習するメリット

なぜ「系統地理」から先に学習した方が良いのか・・・それは、先に「系統地理」を勉強すると、地理にかける全体の勉強時間を大幅に短縮することができるからです。
「系統地理」とは、地形や天候、産業、農業、経済など、あらゆるテーマを「場所に関係なく」学習する分野です。これに対して「地誌」は、国・地域・大陸別に、「系統地理」で挙げたテーマを統合的に学習していく分野を指します。
まず、地形や気候といった「系統地理」の内容を理解しておくことで、さまざまなテーマについて推測→回答することが可能となります。さらに知識の関連付けができるようになると、本来、国名・地域・大陸別に学習が必要な「地誌」としての範囲をカバーすることができるので、全体の暗記量を減らすことができるのです。
そもそも「地誌」は、地理の中でも覚えるべき事柄が非常に多い分野です。だからこそ地誌」の学習を少しでもスムーズに進めるために、「系統地理」を先に学習することはとても重要なことなのです。

2-2. 「系統地理」勉強のコツ

「系統地理」の勉強のコツは、「自然地理」に分類される「地形」と「気候」を理解するということです。
地形と気候からは、その土地の農業や工業と言った産業の範囲をうかがい知ることができますし、さらに産業の情報からは、人口の推移や宗教問題、その地域が抱えるエネルギー問題まで探ることができます。また気候からは、動植物の分布や農作物の生産量などを読み取ることも可能です。

例えば

「〇〇地域の農作物の生産量」
→ 地形や気候などから生産物と生産量の推測が可能

「なぜ〇〇はそこで生産されるのか?」
→ 地形や気候などから説明できる

「この地域でどういう事柄が起きているのか?」
→ 人口の推移や主要産業から宗教問題、エネルギー問題の推測が可能

このような疑問を問題の中で推測し、それをひとつずつ調べながら確認することで、地理を「理解」することができます。

知識は理解しながら覚えると記憶に残りやすいため、このような勉強法は地理の学習にとても効果的です。さらに、このように覚えておくと、国名や地域が提示されただけで、芋づる式に関連知識の記憶を呼び起こすことが可能となります。何かを忘れていても、別の知識から思い出せることもあるというのが、この勉強法の優れたところです。
なお、統計データでは、大豆や小麦、肉など主要な作物・食物、また産業などの内容を、上位5位まで必ず理解しておき、国名や地域名が出てきたときに思い出せるようにしておくと良いでしょう。これも、その国の地形や気候を理解していれば、わずかなヒントで記憶を手繰り寄せることができます。共通テストなどは選択回答式ですので、ヒントとなる少しの情報から覚えたことをアウトプットでき、非常に効率的です。

2-3. 「地誌」勉強のコツ

「地誌」の知識を全て暗記することは、まず不可能です。そのため「地誌」の勉強をする際には、「系統地理」で得た知識から“推測“して答えを導き出す練習をすることが重要になります。つまり、先ほどの「系統地理」の例で言うならば、「国(=地誌)の地形や天候(=系統地理)から農作物(=系統地理)を推測する」というようなことができるようになることが大事なのです。
こういった勉強をしておけば、「地誌」を完璧に暗記していなくても、「系統地理」で得た知識でだいたいの問題は解くことができます
ただし、「地誌」においても必要最低限の内容を暗記しておく必要はあります。基本的には「系統地理」と結び付けて学習していくのがおすすめですが、それができないものに関しては暗記をしましょう。また、統計データなどの暗記は上位2位までの順位と国名だけでほとんど足りますが、可能であれば上位5位以内の国名や地域名を覚えておきましょう。
莫大な知識量となる「地誌」に関しては、どこかで見切りをつけることが必要です。

3.  地理の勉強法(2)アウトプット ~問題を解く~

インプットができたら、演習問題を解いてアウトプットをおこないましょう。インプットした内容は、演習問題を解く際に活用されることで、より早く自分の中に定着していきます。さらにこうしたアウトプットは、インプットがしっかりとできているかどうかを確かめるための重要な作業でもあります。インプットができたら、力試しの小テストをする気持ちでアウトプットする方が効果的でしょう。

3-1. アウトプットにおすすめの参考書と問題集

山川 一問一答 地理 山川 一問一答 地理
地歴
地理
山川 一問一答 地理
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山川 一問一答地理』(山川出版社)
アウトプットにおすすめの問題集は、『山川 一問一答地理』(山川出版社)です。
約2,400の基本的な地理用語や地名を一問一答形式で確認しながらアウトプットできる問題集です。教科書レベルの難易度になっているので、初めに取り組む一問一答形式の問題集としては扱いやすい本でしょう。

3-2.「系統地理」おすすめの参考書

「系統地理」と「地誌」を分けてじっくりやりたい!という人には、以下の参考書がおすすめです。

名人の授業シリーズ 村瀬の地理Bをはじめからていねいに : センター試験 系統地理編 名人の授業シリーズ 村瀬の地理Bをはじめからていねいに : センター試験 系統地理編
地歴
地理
名人の授業シリーズ 村瀬の地理Bをはじめからていねいに : センター試験 系統地理編
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村瀬哲史/著
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村瀬の地理Bをはじめからていねいに(系統地理編)』(ナガセ
この本では、系統地理」の基本となる考え方が解説されており、「系統地理」の見方に沿って地理を勉強することができます。図表も豊富で理解しやすく、知識とともに思考力も身につくため、短期間で地理の対策を進めていく際には一度は熟読しておきたい参考書です。
ただし、出版年が2012年とやや古いため、細かなデータを見る際には別資料で再度確認した方がよいでしょう。

気鋭の講師シリーズ 山岡の地理B教室 PART I 気鋭の講師シリーズ 山岡の地理B教室 PART I
地歴
地理
気鋭の講師シリーズ 山岡の地理B教室 PART I
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山岡信幸/著
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山岡の地理B教室PARTI (ナガセ)
1ページの文字密度が低く、読みやすい参考書です。すぐに1周できるので、何度も繰り返して理解を深められます。地理の全体像を簡潔に、必要最低限の情報が記載されていますが、章末には詳細なチェックがあるため重宝します。これから地理の勉強を始める人にも受け入れやすい情報量で最低限の知識を身につけられますし、試験前に流し読みするにもちょうど良い内容となっています。

3-3.地誌おすすめの参考書

「地誌」分野を含めた演習におすすめの参考書・問題集を紹介します。
まずは、着実に実力を養うための基礎~中級レベルから。

一問一答 地理 ターゲット 2500 改訂版 一問一答 地理 ターゲット 2500 改訂版
地歴
地理
一問一答 地理 ターゲット 2500 改訂版
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松本聡(地理)
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一問一答 地理 ターゲット 2500改訂版(旺文社)
目標別、レベル別に問題のページが分かれているため、学習しやすい一問一答形式の問題集です。共通テスト・私大上位レベルの基本問題、難関大レベル標準問題の2つのレベルで構成されており、そのどちらのレベルでも「地図の利用」「系統地理」「地誌」と全範囲を補っています。レベル別の問題に取り組めるため、自分の実力に合わせた勉強が可能になるでしょう。

納得できる地理論述 納得できる地理論述
地歴
地理
納得できる地理論述
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納得できる地理論述 (河合出版)
問題の形式やよくある間違いなどがしっかりと解説されている問題集で、さらなる得点アップへ繋がる内容になっています。解き方を理解してから演習問題に移れるので、効率よく学習を進められます。
ただし、ある程度の地理用語をマスターできていない状態だと、演習をこなすのに少し苦労するかもしれません。
幅広い分野・レベルで力試しをしたい人には、次に挙げる2冊がうってつけでしょう。

地理B 一問一答【完全版】 地理B 一問一答【完全版】
地歴
地理
地理B 一問一答【完全版】
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理B一問一答完全版』(ナガセ)
全国の入試問題と予想問題をもとに5,000問以上の問題が掲載されています。過去に入試で出題された図版も忠実に再現されており、私立大や国公立大の2次試験で地理を受験する人には向いているでしょう。
ただし、「系統地理」から「地誌」まで幅広く網羅されているため、必要な知識だけを選択して身につけたいという人には不向きかもしれません。全体的な内容のレベルとして中級者向けとなっていますので、自分の現在の実力を考慮して使用することをおすすめします。

実力をつける地理100題[改訂第3版] 実力をつける地理100題[改訂第3版]
地歴
地理
実力をつける地理100題[改訂第3版]
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Z会出版編集部
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実力をつける地理100題[改訂第3版]』(Z会出版編集部)
解説も詳しく様々な問題形式が収録されているため、対策できる問題の幅が広いのが魅力です。また、採点ポイントなども解説されており、得点力を上げるのにも有効です。対策が不足しがちな論述問題も各章で出題されており、入試問題も収録されているため、力試しに実戦的な問題へ挑戦することもできます。
網羅性が高くやり終えるのに時間はかかりますが、問題集としてだけでなく参考書としても国立大2次試験や私立大の地理受験に役立つ1冊でしょう。改訂第3版ではデータが一新され、最新の内容に則したものとなっています。

4. 実戦演習で得点力アップ

インプットとアウトプットを通して、知識の定着と問題への回答力を養えたら、最後は仕上げとして試験本番の演習問題を解いてみましょう。
自分が受験する大学の過去問を中心に繰り返し演習をおこない、出題内容の情報を元にしっかりと得点に結びつく回答を導くことができているか確認していきましょう。
ここでは、最終確認におすすめの問題集と参考書を2冊紹介します。

4-1. 仕上げにおすすめの問題集と参考書

「地誌」分野を含めた演習におすすめの参考書・問題集を紹介します。
まずは、着実に実力を養うための基礎~中級レベルから。

2022共通テスト過去問レビュー 地理B 2022共通テスト過去問レビュー 地理B
過去問題集
センター試験
2022共通テスト過去問レビュー 地理B
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河合出版編集部
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2022共通テスト過去問レビュー 地理B』 (河合出版)
1つ目は、『2022共通テスト過去問レビュー地理B』(河合出版)です。
2012年度以降のセンター試験と、2021年度共通テスト第1日程を掲載した問題集です。出題傾向や出題形式に慣れるために、たくさん問題を解きたいという人にはおすすめです。
ただし、地理は年々情報が更新され、内容が変動する科目なので、あまりにも古い問題の対策にこだわる必要はないでしょう。

大学入学共通テスト対応 地理ノート 大学入学共通テスト対応 地理ノート
地歴
地理
大学入学共通テスト対応 地理ノート
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脇坂義和
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大学入学共通テスト対応 地理ノート(山川出版社)
こちらは過去問集ではありませんが、これまでのセンター試験「地理B」の問題を踏まえた内容で、出題傾向の高い事項や用語、地名を精選してあり、共通テストに必要な知識を効率的に学習できるよう作られていますノートとしてまとまっているだけでなく、各項は重要事項の説明と図表のチェックで構成されているので、他の参考書を使い終わった後の総整理として使うことができ、学習の仕上げ段階にぴったりの1冊です

5. まとめ

最後に、これまで解説してきた地理対策のポイントと、効率的な勉強法についてまとめます。

●まずは「系統地理」から学習を進めていく

●「系統地理」は、少なくとも「地形」と「気候」を理解しておく

●「系統地理」に関連付けて「地誌」を学習していく

●「系統地理」も「地誌」も、統計データは上位5位までの暗記を目標に

●「地誌」の暗記は、どこかで見切りをつけることが必要

暗記項目が多いと言われる地理でも、勉強法によっては効率よく時間を使って、得点を伸ばしていくことが可能です。あきらめてしまう前に、今すぐ「系統地理」の学習から対策をスタートしましょう。