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日本史「まとめノート」の作り方を実例とあわせて紹介! ~大学受験対策に効果バツグンの知識整理術~

2021.08.31

日本史を勉強する時に、自分用の「まとめノート」を作る人は多いのではないでしょうか。「まとめノート」は明確な目的に沿って作成することで効果的な学習に繋がりますが、その反面、時間がかかってしまうというデメリットもあります。
受験対策に効果を発揮するノートは、どのように作っていけばよいでしょうか。この記事では、日本史に力を注いで大学受験を乗り越えた私自身の経験も踏まえ、日本史の知識を確実に定着させる「まとめノート」の作り方を紹介します。
(StudiCoサポーター M.N. / 青山学院大学)

1. 日本史「まとめノート」を作る目的を持つ

日本史を勉強する時に、「まとめノート」を作る人は多いのではないでしょうか。しかし「まとめノート」は目的を持って作成しないとその効果を発揮しづらくなります。
どのような目的を持つかは自由ですが、「苦手な経済史に特化して勉強する」、「より発展的な内容を身につけたい」、「間違えた問題を復習する」など、「日本史を学習する上での目標」に近づくための「まとめノート」になるようにしてください。
私の場合、まとめノートは「発展的な内容を身につけ、かつ長期的に記憶に残るようにする」ということを目的に作成していました。受験対策において、基礎レベルの用語はもちろん、授業で扱われなかった内容も必要になると判断したからです。「まとめノート」は目的に沿って作成することで効果的な学習に繋がるので、ノートを作る前に今一度、「ノートを作成する目的」について考えてみてください。

2. 「まとめノート」を作るメリット・デメリット

日本史の「まとめノート」を作る最大のメリットは「日本史の流れを理解することができる」という点にあります。これは日本史を勉強する上で最も重要なポイントです。
歴史上の出来事は全て繋がっているので、日本史を勉強する時には断片的になっている知識を繋げて理解する必要があります。「まとめノート」を作成する時には、この「歴史の流れ」を意識してみてください。
ただし、「まとめノート」の作成はメリットばかりではありません。デメリットとして挙げられるのは「時間がかかる」ことです。
「まとめノート」はいくらでも時間をかけることができる勉強法ですが、時間をかけることがすなわち良い勉強である、とは限りません。勉強の「質」を向上させるためにも、時間のかけ過ぎには注意してください。
また「まとめノート」を作成したことで、勉強をしたつもりにならないように注意しましょう。「まとめノート」を作成した段階では、まだ知識を取り入れただけです。日本史の勉強で必要なことは、「覚えた知識をアウトプットして定着させること」です。問題を解くなどの方法で自分の苦手分野はないか、または苦手分野を克服できているかを、しっかり確認するようにしてください。

3. おすすめの日本史「まとめノート」の作り方

日本史の「まとめノート」を作る上でおすすめしたい方法をいくつか紹介します。
1つ目は「矢印で繋ぐ」ことです。歴史を勉強する上で最も重要なことは、「歴史の流れを理解する」ことです。特に政治史では歴史の流れを強く意識する必要があるので、出来事を矢印で繋げて流れを理解するようにしてください。
2つ目は「原因と結果をはっきりと書く」ことです。歴史上では様々な事件や戦争が発生していますが、全てに「原因と結果」があります。「なぜそのような事件が発生したのか」と「その結果がどのような影響を及ぼしたか」が分かると、格段に理解が深まります。これは事件や戦争だけではなく、政策や文化といった内容にも通ずる点です。
3つ目は「余白を作る」ことです。ノートにまとめる時に余白を設けずに書いてしまうと、後から情報を加えたい時に追記できなくなってしまいます。また、余白がないと見直しがしづらくなるというデメリットもあります。
4つ目は「画像を貼る」ことです。特に「文化史」では用語だけを書き連ねていても、文化財そのものを思い出せなければ意味がありません。まとめノートに画像を貼って、名前とセットで覚えることをおすすめします。
また「画像を貼る」という方法は、文化史だけではなく政治史や経済史を勉強する上でも効果的です。地図を貼って「どこで何が起きたか、どう移動したか」を理解することがとても重要だからです。
一方で、資料集などに見られる「事件の相関図」や「年表」は、自分の手を動かしてノートに書くことをおすすめします。その方が「歴史の流れ」を理解しやすくなり、また記憶に残りやすいからです。

私が実際に作成していたノートを紹介します。

これは鎌倉時代初期の「守護」と「地頭」についてまとめた図です。「守護」と「地頭」を比較しながら表にまとめることで、混乱することなく覚えることができます。
また矢印を使うことで「原因と結果」が一目で分かるようにしています。

こちらは鎌倉新仏教の1つである「臨済宗」についてまとめた部分です。鎌倉新仏教を覚える上で重要な「開祖・中心寺院・主要著書・支持層」を箇条書きで簡潔にまとめました。
文化史についてまとめノートを作成する時は、箇条書きにすることで「重要なポイントが一目でわかるようにする」ことを心がけていました。

これは「寛政の改革」についてまとめたページです。寛政の改革では「農村復興・都市政策・財政政策・思想統制・出版統制」の5つの項目が重要なポイントになりますが、わかりやすいように、それぞれの政策でどのようなことが実施されたかをまとめました。

また施行された令などは、「なぜ作成されたのか」と「それにより何が起きたか」を、矢印で繋げるなどしてまとめることで、「歴史の流れ」を理解できるようにしています。さらに「寛政の改革」の性格と全体の結果を簡潔にまとめることで特徴を把握できるようにしました。

4. 「まとめノート」を作る時の注意点

ノートは作り方によってはとても効果的な学習に繋がりますが、注意点が1つだけあります。それは「『ノートを作ること』に力を入れてしまう」ことです。
キレイに作りたいという思いが先行してしまって、色をたくさん使うなどノートの構成に注力してしまい、本来の目的とは異なる勉強になってしまうということがよくあります。ペンを動かして時間をかけることで勉強したつもりになっていませんか?――まとめノートは「日本史の内容が理解できるノート」であることが絶対条件ですので、決して色鮮やかでキレイなノートである必要はありません。日本史の知識を定着させるという「まとめノートの目的」を忘れないようにしてください。

5. 日本史「まとめノート」形式のおすすめ参考書

続いては日本史の「まとめノート」形式の参考書を紹介します。
「時間がない人」や「日本史をまずはひと通り復習したい人」は、ぜひこれらの参考書を使ってみてください。また、「まとめノート」を作る上での参考にもなると思います。

大学受験 ココが出る!! 日本史Bノート 四訂版 大学受験 ココが出る!! 日本史Bノート 四訂版
地歴
日本史
大学受験 ココが出る!! 日本史Bノート 四訂版
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菅野 祐孝/著
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大学受験 ココが出る!! 日本史Bノート 四訂版』(旺文社)
一問一答のような穴埋め形式の参考書です。この参考書では「重要な年代」と「出題されやすいポイント」がまとめられており、「日本史をどこから勉強すれば良いか分からない」という人でも使いやすいことが特徴です。
基礎レベルから大学受験レベルまでの用語が対象となっており、問題演習のページもあるので、この1冊で日本史の基礎的な力を身につけることができます。

流れがわかる 日本史Bノート 改訂版 流れがわかる 日本史Bノート 改訂版
地歴
日本史
流れがわかる 日本史Bノート 改訂版
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流れが分かる 日本史Bノート』(山川出版社)
一問一答のような穴埋め形式の参考書です。この参考書では「重要な年代」と「出題されやすいポイント」がまとめられており、「日本史をどこから勉強すれば良いか分からない」という人でも使いやすいことが特徴です。
基礎レベルから大学受験レベルまでの用語が対象となっており、問題演習のページもあるので、この1冊で日本史の基礎的な力を身につけることができます。

6. まとめ

日本史の「まとめノート」を作成する上でのポイントを振り返ります。
ノートを使って勉強する上でのポイントは次の3つです。

  1. 日本史の勉強をする上での「目標」を明確化し、「まとめノート」を作る目的を設定しましょう。
  2. 「まとめノート」を作る時は歴史の「流れ」を意識。ノートづくりに時間をかけすぎないようにしてください。
  3. ノートの作り方としては、「矢印で繋ぐ」、「原因と結果をはっきりと書く」、「空白を作る」、「画像を貼る」などの方法がおすすめ。

日本史の「まとめノート」は、作り方次第でとても大きな効果を発揮します。「まとめノート」を作ったら何度も見返して復習を行い、日本史の用語と流れを確実に暗記するようにしましょう。

StudiCoサポーター M.N.
青山学院大学 文学部史学科 合格