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リスニングが苦手な受験生必見!「英語が聞ける耳」をつくる“耳寄り”勉強法!

2018.12.03

リスニング上達のための勉強法は、英単語や文法知識の暗記とはまったく異なるので、「英語がぜんぜん聞き取れない!」「リスニングの勉強法がまったくわからない!」といった、苦手意識や焦りを感じている受験生も多いことでしょう。
この記事では、ディクテーションリピーティングといった、リスニング力を確実に向上させるための勉強法を紹介します。

1. リスニングが苦手な最大の原因 ~なぜ英語が聞き取れないのか~

英語のリスニング問題で思うように点が取れずに悩んでいる人は、まず「なぜ自分は英語が聞き取れないのか」ということから考えてみましょう。
英語が聞き取れないのには、さまざまな原因がありますが、突き詰めて言えば、ナチュラルに発話される英語に慣れていないということがほとんどです。
では、この原因を解消するための具体的なトレーニング方法を見ていきましょう。

2. リスニング力向上に最大の効果! ~ディクテーション~

リスニング力を向上させたい全ての人に効果があるのが、「ディクテーション」という勉強法です。
「ディクテーション=dictation」とは、耳から入ってくる英語を、そのまま書き取るトレーニング方法です。「そのまま書き取る」というと難しく思えるかもしれませんが、いきなり長い英語を聞き、その全てを書き写す、という練習から始める必要はありません。最初は、単語単位で聞き取ることから始める、あるいは空欄補充型の問題で練習するといった、取り組みやすいところからスタートしましょう。
次に、ディクテーションをおこなうことの3つのメリットを具体的に解説します。

2-1. 「聞き取れない箇所=自分の弱点」がわかる

自分の弱点を具体的に把握するのに役立つというのが、ディクテーション最大のメリットです。
書き取れなかった部分は自分が聞き取れない単語となるので、自分の弱点が可視化され、どの単語について改めて学習すればよいかがわかってきます。

2-2. リスニングに集中して取り組める

「聞いた英語を書き取る」という明確な目的があるので、集中力を保ちやすいのが特長です。聞き取れない部分はそのまま飛ばして、聞き取れた部分からどんどん書き取っていきます。やるべきことがはっきりしているので、やり方に迷わずに取り組みやすいのが、ディクテーションの長所でもあります。

2-3. 正しいスペリングの習得につながる

書き取りが終わった後は、必ずスクリプト(=音声を文字で記したもの)と照らし合わせて、聞き取った英語正しく書き取れているかを一字一句確認していきます。その際、書き取った単語のスペリングが正しいかまでチェックしましょう。これにより、それまで気づいていなかったスペリングの間違いに気づくことができます。また、名詞の単数・複数、動詞の3単現のsや時制といった活用変化などの細かい点までチェックします。結果として、ディクテーションは文法力の補強にもなるのです。

3. 自分で発音することの重要性 ~リピーティング~

ディクテーションは音を「聞く」ことに焦点を当てたトレーニングでしたが、英語の音に早く慣れるためには、自分でも発音する必要があります。発音練習の中で、もっとも手軽に取り組めるトレーニング方法が「リピーティング」です。
リピーティングとは、教科書の英文をCDの音声や先生の発音のあとに続いて読む練習方法ですが聞こえた音声をできるかぎり忠実に真似て発音することが上達のポイントです。
なぜ「聞く」リスニング力を高めるのに、「発音する」リピーティングが役に立つのかと疑問に思う人もいるかもしれません。
発音された英語をそのまま真似て発音するためには、集中力を最大限に高めて耳を澄ます必要がありますこのプロセスが、英語を聞くための耳を鍛えてくれるのです
リピーティングは、手持ちの音声教材で十分ですが、本格的におこないたいという人には、ラジオ英会話』(NHK出版)などのNHKのラジオ教材が、品質も高くおすすめです。
音声教材が準備できたら、以下の流れで実践してみましょう。

  1. 音声を再生する
  2. 適度なまとまりや1センテンスの最後で「一時停止」する
  3. 聞こえた音声を真似て発音する

これを何度も繰り返すことで効果が増します。自分の発音が、音源の発音に近いかどうか、スマホなどで録音して確認してみるのも有効です。恥ずかしがらず、はっきりと声に出して練習しましょう。

4. 「楽しめる英語」を見つけよう!

「リスニングが苦手!」と感じている人は、普段どのくらい英語に触れる機会があるかということを考えてみましょう。おそらく、「学校の授業だけ」という人が多いのではないでしょうか。
日本で普通に暮らしているかぎり、自然と英語が耳に入ってくるという環境はほとんどありません。ですから、英語のナチュラルな発音に慣れようと思ったら、自分でそういう環境をつくり出す必要があるのです。
とはいえ、難しく考える必要はありません。
音楽好きな人なら、歌詞カードを見ながら洋楽を一緒に歌えば、それが立派な英語のトレーニングにもなります。
映画好きな人なら、洋画を英語の字幕で見たり、あるいは英語音声のみで見たりするだけでも、耳を鍛えることができます。
NHKのテレビ講座・ラジオ講座を活用するのも効果的です。「ラジオ」といっても、スマホのアプリを使って聴くこともできるので、自分の好きな時間に、短時間で番組を聴けるでしょう。

楽しめる遊びや息抜きが英語学習につながれば、そこから英語への苦手意識が払拭されていきますし、自分の趣味と英語がうまく組み合わされば、英語力の爆発的な向上も期待できます。
ぜひ自分に合った方法を見つけて、生の英語に触れる機会を増やしてみてください。

5. まとめ

以上、リスニング力を確実に向上させる方法として、「ディクテーション」と「リピーティング」という2つの有効な方法を紹介しました。

<リスニング力向上に役立つ2つの方法>

●ディクテーション
そのまま書き取ることで、自分の弱点の具体化・可視化ができる
ついでにスペルチェックもおこなえて文法力の補強にもなる

●リピーティング
口に出して真似しようとすることで集中力が高まり、聞く力が大幅にアップする

これらを並行しておこなうことで相乗効果も生まれ、リスニング力は確実に向上するでしょう。

岡本 眞一郎 先生 武南中学・高等学校
1983年より都立高等学校英語教諭として、都立青山高等学校、都立戸山高等学校、都立白鴎高等学校、2014年より埼玉県立春日部高等学校、埼玉県立浦和高等学校と首都圏の進学校を歴任。2018年4月からは、埼玉県私立の武南中学校・高等学校で教鞭を執り、多くの受験生たちの指導に当たっている。