この記事では、センター試験の英語リスニングで「満点」を狙うための勉強法を、3つのポイントで解説します。
センター試験の英語で大きな配点があり、かつ難化傾向にあるリスニング。ここで満点を取ることができれば、かなり有利になります。
また、英語(特にリスニング)が得意であれば、センター試験のリスニングで満点を目指すというのは十分に現実的な目標です。この目標を実現するための勉強法をぜひ体得してください。
1. センター試験の英語リスニングはライバルに差をつけるチャンス
まず、センター試験英語におけるリスニングの配点から確認しましょう。
筆記試験200点満点(解答時間80分)に対し、リスニングテストは50点満点(解答時間30分)です。合計250点満点を0.8倍に圧縮して200点満点に換算します。
配点については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
>> センター試験英語で8割以上の得点をもぎ取るために ~リスニング得意型・不得意型が取るべき2つの戦略~
センター試験英語の最近の傾向として、リスニングの問題は年々難化しています。近年の試験では、ネイティブスピーカーのナチュラルスピードにより近い速度で英語が再生されるようになったのに加え、使用される表現もよりこなれたものになってきています。
また、例年の平均的な得点率を見てみると、筆記試験においては毎年、60%前後で安定的な結果であるのに対し、リスニングについては、2012年:約49%、2018年:約45%と、5割を下回っている年もあります。
英語、特にリスニングが得意なら、ここで高得点をマークしてライバルに大きな差をつけたいところですね。
2.「満点」を狙うための3つのポイント
センター試験のリスニングで満点を狙うには、次の3つがポイントとなります。 (1)センター試験レベルより高いリスニング力の養成
(2)基礎力を鍛えるトレーニング
(3)過去問演習
さっそく(1)~(3)について見ていきましょう。
2-1. センター試験レベルより高いリスニング力の養成
私立大学入試や国公立大学の2次試験でリスニングが課されるのであれば、そちらで高得点を取れる力をつけることにより、相対的に難度の低いセンター試験で満点を狙うことが可能になります。
センター試験のリスニングが難化傾向にあるのと同様に、難関大学のリスニング試験も年々難度を増しています。その上、スピーカーの発話スピード、用いられる表現、内容の複雑さ、設問の難しさ、どの点をとってもセンター試験よりレベルが高いことが多いのです。
「センター以外にリスニングの試験がない」という人でも考え方は変わりません。ハイレベルなリスニング力を身につければ、センター試験のリスニングは相対的に容易に感じられるようになり、試験本番にも余裕を持って臨むことができるようになるのです。
では、「高度なリスニング力」はどのようにして習得すればいいのでしょうか。
【1】基礎力を鍛えるトレーニングを積み重ねる
これについては次章で詳しく解説します。
【2】英語に触れる機会を増やす
リスニング力の向上には、数分でもいいので毎日英語に触れるということがきわめて重要です。リスニング力の養成にはスポーツや楽器の演奏と似たところがあり、継続的に練習すれば着実に実力が伸び、逆に何もしない期間が長くなるほど勘が鈍っていきます。
最近は、無料もしくは安価で楽しみながら英語が学べる手段がたくさんあり、スマートフォンのアプリやPodcastで手軽に英語に親しむこともできます。
【3】問題演習を大量にこなす
試験本番では、ただ英語を聞き取るだけでなく、設問に正しく答える力も必要です。そのための近道は大量の練習問題に取り組むことです。
おすすめの問題集は『難関大のための上級問題 特訓リスニング』(旺文社)です。
難関大学のリスニング試験に的を絞った数少ない対策本の1つで、さまざまな形式の「難問」が収録されており、質の高いリスニング対策が可能です。
分量的にも付属CDが3枚に及ぶほどの充実ぶりで、収録されているのは青山学院大学、早稲田大学、一橋大学、東京大学、東京外国語大学、京都大学、大阪大学など、難関大学で出題された問題ばかりです。
2-2. 基礎力を鍛えるトレーニング
最終的なゴールがいかに難度の高い試験であっても、日頃おこなうトレーニングはあくまで基礎力を鍛えるものを中心とすべきです。
特にリスニング力アップに効果があるとされている、とっておきの勉強法は、ずばり「ディクテーション」と「シャドーイング」です。これらのトレーニング方法やメリットについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
>> 英語リスニングの2大トレーニング法「ディクテーション」と「シャドーイング」の極意とは!?
また、こうしたトレーニング(特にディクテーション)の実践を含め、センター試験のリスニングで満点を狙うための学習に焦点を当てた参考書として『センター英語〔リスニング〕 満点のコツ』(教学社)があります。
高得点~満点獲得を目標とする人向けの内容で、正答率の低い「差がつく問題」を厳選して掲載しているというのも特徴です。リスニングの中・上級者であれば、センター試験のリスニング問題にはほとんど苦労せずに解けるものも混ざっていますが、この本では難度が高めの問題に集中して取り組めるようになっているので、効率的な学習ができるのです。
さらに、ナチュラルスピードの発音のしくみが学べるのも大きな特長で、センター試験のリスニングに限らず、私立大入試や国公立大2次試験のリスニング対策にも役立つ1冊です。
2-3. センター試験の過去問演習
これまで紹介した2つのポイントを押さえてリスニング対策を積めば、センター試験リスニングの過去問演習にはそれほど時間を費やす必要はなくなるでしょう。
最低限の対策として、センター試験リスニング問題の出題傾向や難易度のレベルは把握しておく必要があります。
「センター赤本」(『センター試験過去問研究 英語』(教学社))で過去問を5年分程度解いてみて、毎回満点かそれに近い得点を取れるのであれば、特にそれ以上センター試験に特化したリスニング対策は不要でしょう。ただし、リスニング力は何もしなければ時間とともに鈍っていくものなので、2次試験を見据えてリスニング対策の勉強は継続するようにしてください。
もし過去問演習で満点近い得点を取れないようであれば、センター試験のみならず2次試験に対応する力も不十分であると見なして、前の章で触れた基礎力を鍛えるトレーニングに注力してください。
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3. まとめ
この記事のポイントを振り返りましょう。 (1)センター試験レベルより高いリスニング力の養成 (2)基礎力を鍛えるトレーニング (3)センター試験の過去問演習
センター試験のリスニングテストで満点を狙うためのポイントは次の3つです。
到達目標を「センター試験リスニング」より高い位置(私立大入試や国公立大2次試験のリスニングなど)に設定し、それに対応できる実力を身につけましょう。相対的にセンター試験のリスニング問題は易しく感じられるようになるはずです。
英語が得意であってもベーシックなトレーニングは欠かさないようにしてください。ディクテーションやシャドーイングなどのトレーニングを地道に積み重ね、リスニングの基礎力を鍛えましょう。
(1)(2)で十分な実力が身につくと思いますが、万全を期すために過去問演習に取り組みます。最低5年分は解いて、センター試験独自の出題傾向を把握しておきましょう。
センター試験の英語リスニング問題は、ライバルとの差をつけるチャンスです。やれば必ず力が身につき、やらなければできないままという、差が歴然と差が表れます。
センター試験で高得点を狙うならば、リスニングはぜひ「満点」を目指して勉強しましょう!