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数学3(数III)の苦手意識を克服!着実に成果が上がる勉強法とおすすめ参考書4選

2022.03.10

高校数学の集大成である「数学3(数III)」では、「数学2B」からさらに学習する内容が複雑になります。今まで理系科目が得意だった人でも、数学3で行き詰まってしまうことは少なくありません。「これから数学3を勉強するけど不安だらけ…」「数学3では結局何を学習しているのか分からない…」――そんなお悩みをこの記事で解消しましょう!
数学3の基礎を理解するために学ぶ上で意識すべきことや、基礎固めにおすすめの参考書を紹介します。

※この記事では主に〈現行課程〉における「数学」の内容について扱います。(2022年度の高校2・3年生が対象)
2022年度の高校1年生から順次移行となる〈新課程〉の情報についても触れますが、履修および大学受験時の学年についてご注意ください。

1. 【現行課程→新課程】「数学」履修内容の変更について

この記事では現行課程(2022年度の高校2・3年生が対象)の「数学」について扱いますが、2018年3月30日に文部科学省が告示した「高等学校学習指導要領」に則り、2022年度の高校1年生から順次「数学」の履修内容が変更されます。現行課程から新課程の変化の中で、「数学3」について注意すべきことは以下の3点です。

・「数学C」が再登場
・「ベクトル」が数学Bから数学Cに移行
・「平面上の曲線と複素数平面」が数学3から数学Cに移行

この記事では、各単元について「新課程ではどの科目に対応しているか」も明記します。2022年度高校1年生以降の方も文理選択を考える際などに参考にしてください。

2. 数学3を勉強する上で大切なこと

2-1. 使用する参考書・問題集は厳選する

無理に難度の高い問題集に取り組むのではなく、今の自分のレベルに合った問題集を使用しましょう。数学の基礎を定着させる勉強法として、時間の許す限りたくさんの問題集を進めるよりも、問題集1冊を完璧に理解するまで繰り返し演習する方が効果的です。問題集1冊を完璧に終えてから、レベルを1段上げた問題集1冊に取り組みましょう。
参考書や問題集のレベルについて、自分でどれを使用すればよいか分からない場合は、学校の先生や友だちにアドバイスを受けてみてください。また、この記事の情報やStudiCoの参考書検索機能も活用しましょう。

2-2. 数学1A・2Bの基礎を固める

「数学3」の各単元は「数学1A」「数学2B」で学ぶ単元と密接に関わっています。数学3を勉強している中で、序盤から内容が難しく、理解がついていけないと感じた場合は、今までの数学の知識が抜けていることが考えられます。一度勉強した単元まで戻るのは勇気がいることですが、抜けている単元をそのままにせず、気づいた段階でその都度丁寧に復習することが、数学3の内容を理解するための近道です。
(具体的な数学3の各単元と数学1A2Bとの関係性については、次の章で取り上げます)

2-3. 長期的な勉強計画を立てる

理系の数学科目は学習しなければならない内容が多く、各単元を1周勉強しただけで大学入試に対応するのは厳しいです。大学入試に向けて十分な演習時間を確保するために、高校3年生の夏休み前までには、数学の全範囲を1周終えたいところです。
そのためには日々の勉強計画を立てることがとても大切です。計画を立てて実行するのが苦手な場合には、大まかに「5月中に微分法をひと通り終わらせる!」といった勉強計画を立てるだけでも、進度に目標ができておすすめです。

3. 数学3の全体像 ~各単元の特徴~

「数学3」では大きく分けて、(1)複素数平面(2)式と曲線(3)関数と極限(4)微分法(5)積分法の5つの単元を学習します。各単元の特徴について知ることで、勉強計画に役立てることができます。
「数学3」の各単元を学習する上でのポイントについて簡単に紹介します。

3-1. 複素数平面(新課程では「数学C」)

「複素数」という概念は「数学2」で学びますが、「数学3」では複素数を座標平面上で表して、図形的に考える場面が多くなります。数学3で学ぶ単元の中で、数学1A・2Bと一番密接に関わっている分野でもあるため、難度が高く、様々な単元との複合問題が多いです。
数学3の複素数平面に取り組む前に、数学1A・2Bの基礎を復習しましょう。特に、数学2Bの「複素数と方程式」「図形と方程式」「三角関数」「ベクトル(新課程では「数学C」)」の単元を優先的に理解しておくのがおすすめです。

3-2. 式と曲線(新課程では「数学C」)

「放物線」「楕円」「双曲線」といった「2次曲線」の性質や、「媒介変数表示」や「極座標」といった新たな関数の表示法について学習します。「式と曲線」の単元だけで入試に出題されることは少ないですが、「微分法」「積分法」など他の単元との融合問題として出題されることが多いです。
数学3の他の単元と比べて学習内容が少ないため、短期間で知識を習得して他の単元の学習につなげましょう。

3-3. 関数と極限

「分数関数」「無理関数」「逆関数」「合成関数」といった新たな概念や、数列や関数の「極限」と「級数」について学習します。
特に、「極限」は数学3の「微分法」と密接に関わるため非常に重要です。数学Bの「数列」の基礎を理解してから取り組みましょう。

3-4. 微分法

「数学2」の「微分法」で学んだことに加え、「三角関数」「対数関数」「指数関数」などを含む複雑な関数の導関数の求め方や、グラフを描画する方法について学習します。
微分の計算はひらめきやセンスによるものではなく、計算方法を理解できれば難しくないはずです。そのためには実際に手を動かして演習量を増やすことが大切です。

3-5. 積分法

「数学2」の「積分法」や「数学3」の「微分法」で学んだことに加え、「置換積分法」や「部分積分法」といった複雑な関数の積分を可能にする手法について学習します。さらに、2曲線間の面積を積分法で求められることを応用して、立体の体積を求める手法についても学びます。
「微分法」と同様に、基本的な積分の計算方法については、たくさん手を動かして地道に演習量を積むことが習得の近道です。

4. 数学3の基礎固めにおすすめの参考書4選

「数学3」の学習内容の理解や基礎問題の解法習得に役立つ参考書・問題集を、厳選して4冊紹介します。

スバラシク面白いと評判の初めから始める数学IIIPart2 改訂8 スバラシク面白いと評判の初めから始める数学IIIPart2 改訂8
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数学Ⅲ・C
スバラシク面白いと評判の初めから始める数学IIIPart2 改訂8
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馬場敬之
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スバラシク面白いと評判の初めから始める数学III Part2 改訂8』(マセマ出版)

数学用語の意味や公式の使い方などについて、練習問題を交えつつ丁寧に解説しています。「複素数平面」から「数列の極限」までを扱ったPart1と、「関数の極限」から「積分」までを扱ったPart2の2冊に分かれており、基本問題の解法を身につけることができます。
問題数は多くないため、主に参考書として使用しましょう。「教科書を読んでも用語・公式の意味がよく分からない」「数学に苦手意識がある」といった場合に、おすすめの1冊です。

 

改訂版 チャート式 基礎と演習数学III 改訂版 チャート式 基礎と演習数学III
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数学Ⅲ・C
改訂版 チャート式 基礎と演習数学III
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改訂版 チャート式 基礎と演習 数学III』(数研出版)

『チャート式』シリーズは難易度順に『白チャート(基礎と演習)』『黄チャート(解法と演習)』『青チャート(基礎からの)』『赤チャート』に分かれており、自分の実力に合った難易度の1冊を選択することが大切です。なかでも今回取り上げる『白チャート(基礎と演習)』は、教科書レベルの基礎内容を重点的に扱っており、中堅私立大学の入試レベルまで対応しています。
743題の問題が掲載されており、他の問題集に比べて問題量は十分ですが、その分1冊を完璧にするためには計画的に勉強することが必要となります。大学入試まで「数学3」の参考書を1冊で完結させたい場合にはおすすめです。

 

数学III基礎問題精講 四訂新装版 数学III基礎問題精講 四訂新装版
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数学Ⅲ・C
数学III基礎問題精講 四訂新装版
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上園信武
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数学III基礎問題精講 四訂新装版』(旺文社)

数学3でおさえておきたい基本問題を厳選して125題扱っており、教科書から入試問題を解くための橋渡しとなるような問題集です。学校の定期試験の対策にも有効でしょう。
学校の授業進度に合わせて使用したり、短期間で基礎を復習したりするのにおすすめの1冊です。

 

合格る計算 数学Ⅲ 合格る計算 数学Ⅲ
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合格る計算 数学Ⅲ
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合格る計算 数学III』(文英堂)

数学3の「微分法」「積分法」を中心に、速く正確に解ける計算方法について解説しています。各テーマに対して例題と類題が用意されているため、十分な演習量を確保できます。
同じシリーズに『合格る計算 数学I・A・II・B』『合格る計算 +場合の数』の2冊が出版されています。「計算方法は分かっているけれど解くのに時間がかかってしまう」「効率的な計算方法を知りたい」といったケースにおすすめです。

5. まとめ

大学受験を見据えて「数学3」を勉強する上で、大切なことは以下の3点です。

  1. 使用する参考書・問題集は厳選する
  2. 数学1A・2Bの基礎を固める
  3. 長期的な勉強計画を立てる

「数学3」は高校数学の集大成です。入試対策などで今後取り組む中には、様々な単元の複合問題も増えてくるでしょう。理解不足の単元を発見したらその都度復習することが大切です。なかでも大学入試頻出の「微分法」「積分法」は、たくさん演習量を積んで解法を身につけましょう。
新たな数学の世界を安全に旅するために、記事の中で紹介したおすすめの参考書も「地図」として有効に活用してください!

StudiCoサポーター Y.H.
中央大学 理工学部合格