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【早稲田の国語・現代文編】現役早大生が解説!早稲田大学の入試傾向と問題形式別の勉強法

2023.10.10

早稲田大学の一般選抜入試において、「国語」はほとんどの文系学部の個別試験で受験必須となる科目。一方で、地理や歴史のように努力の結果が出やすいといった科目ではなく、配点の高い英語が優先され、対策が後回しになりがちです。だからこそしっかり対策しておき、ライバルに差をつけたいところ…。
中でも「現代文」は、国語の大問3~4題のうち2題出題する学部が多く、配点の占める割合も高いため対策は重要となります。
この記事では、「早稲田の国語」全体の特徴や傾向を踏まえた上で、現役早大生が受験生時代の経験をもとに、現代文の勉強法を問題形式別に紹介します。ぜひ、早稲田志望生は入試対策の参考にしてください!

古文・漢文の対策については、こちらの記事をご覧ください。

>>【早稲田の国語・古文漢文編】現役早大生が解説!早稲田大学の入試傾向と問題形式別の勉強法

※この記事では主に、2023年度の高校3年生が対象となる早稲田大学一般選抜における「国語」、その中の「国語総合」「現代文B」の内容について扱います。履修および大学受験時の学年についてご注意ください。

1. 早稲田大学・一般選抜入試の「国語」

1-1. 全体の特徴と傾向

早稲田大学・一般選抜入試における「国語」の大きな特徴として、文章への深い理解と速読力が高いレベルで必要とされる点が挙げられます。本文全体の内容や要点を把握しないと問題を解けないことはもちろん、紛らわしい選択肢に苦戦するという声のほか、「文章自体が難解で抽象的なため、理解するのにかなりの時間を要してしまう」という悩みも聞かれます。
消去法などのテクニックだけでは解けない問題も多いため、問題を解く際は文章の本質的理解を第一に心がけることが、正答を導く近道です。学部によっては受験者の平均得点率が7割を超える年度もあるため、失点は最小限に止める必要があり、精度も要求されます。
試験内容については、問題の傾向や形式は共通する点が多いものの、試験時間や配点、大問数は学部によって異なります。受験する学部の入試要項を確認し、配点や自分の得意・不得意などによって国語にどの程度力を入れるか計画しましょう。
また、ほぼ全ての学部で「漢文」が出題されるのも特徴の1つ。併願校の入試で漢文が不要の場合でも、早稲田受験にあたっては漢文の対策もしっかりおこないましょう。

1-2. 時間配分

多くの学部で「現代文」1~2題、「古文」「漢文」1~2題という割合で出題されています。試験時間・大問数のパターン別に、解く順番・時間配分の例を紹介しますので、戦略を立てる際の参考にしてください。

例1:試験時間90分 現代文2題、古文1題、漢文1題(文学部、教育学部など)

■時間配分
漢文15分→現代文25分→古文20分→現代文20分→見直し10分
■解答の順序
比較的平易で、得点しやすい漢文から取り組む。
現代文2題の間に古文を挟み、集中力低下を防ぐ。
2つ目の現代文に取り組む頃には、集中力もピークになり読解スピードも上がることを想定して、短めに時間を設定。

例2:試験時間60分 現代文1題、古漢融合文1題(社会科学部など)

■時間配分
現代文25分→古漢融合文25分→見直し10分
■解答の順序
さまざまな文体が登場する古漢融合文より、比較的読みやすい現代文から取り組む。
古漢融合文はさまざまな文章形態の出題があり、読解に時間がかかることを考慮し25分に設定。

どの学部を受験する場合でも以下のポイントを意識しましょう。
・計画した時間を超過しない
早稲田大学の国語問題は解答に時間がかかりがちなこともあり、少しでも時間が押すと最後まで解き切れなくなることがあります。また、本番で動揺してペースが乱れてしまうということも十分に考えられます。
そのため、「決めた時間ギリギリまで解く」のではなく、「時間内に余裕を持って解き切る」ペースを目標に取り組むようにしましょう。過去問演習をする際も時間配分を意識して、効率的かつ正確に解き進めましょう。
・見直しの時間を必ず計画に含める
文章全体の理解を求められることも多いので、見直しでフォローすることが重要です。「時間が足りなくなって見直しできなかった…」などということのないよう、あらかじめ時間を確保しておくと安全です。

1-3. 過去問の活用法

問題の傾向に慣れるには、過去問を繰り返し解くことが有効です。特に、国語は他科目と比べると暗記などのインプット作業が少ないため、実践的な演習での学習が中心となります
早稲田大学の場合、問題の内容や傾向は異なる学部間でも似ていることが多いです。さらに、同じ学部内では年度による出題形式の変化が少ないため、古い過去問も対策に使えます。演習量を確保することを意識して、できるだけ多くの過去問に取り組みましょう。
1学部しか受験しない場合でも、演習量を増やすために他学部や古い年度の過去問も解いてみることをおすすめします。

2. 「早稲田の現代文」傾向と特徴

早稲田大学・一般選抜入試の「現代文」は、主に大問2題から構成されています。基本的には「評論」のみで、「小説」の出題はないとみて良いでしょう。
背景となる知識がないと理解しにくい文章や、日常生活で使わない現代文特有の語句が選択肢になる問題もあります。このような問題を解けるかどうかは現代文の知識の有無と直結するため、語彙力と頻出テーマの知識を身につけるようにしましょう
問題形式の傾向としては、語句や文の挿入・並び替えなど、本文全体を把握しないと解けない問題が目立ちます。本文を読む前に問いを確認し、問題内容を把握することで解答時間のロスを防ぎましょう。
また、出題される文章はその学部と関連する内容も多いため、受験予定の学部で出題されやすいトピックについて背景知識を確認しておくと良いでしょう。

3. 「早稲田の現代文」問題形式別の対策

早稲田大学・一般選抜入試の「現代文」でよく問われる出題形式ごとに、対策のポイントを解説します。

3-1. 傍線部説明

傍線部を説明する問題では、主に次の2パターンの問いが見られます。
1つは、「~とはどういうことか」といった傍線部の“言い換え問題”。傍線部と選択肢の内容を意味ごとに分解し、それぞれの区切った内容に対応した正しい選択肢に絞っていく、という手順で正解を導くのがおすすめです。
もう1つは、「~の理由として適切なものはどれか」といった傍線部の“理由を問う問題”。選択肢の内容自体が正しいかという判断に加え、傍線部と選択肢との「因果関係」が適切であるかという点にも着目しましょう。
傍線部や選択肢の文自体が難解であることも多く迷いがちですが、漠然と問題に取り組むのではなく、どちらのパターンの問題なのか意識して冷静に処理しましょう

3-2. 空欄補充

単なる語句の穴埋め選択問題をはじめ、文補充、本文から抜き出した語句の空欄補充など、さまざまな形式で出題されています。
評論においては、筆者の主張と一般論など、複数の主張や論理を対比して話題が進むことが多いため、空欄に当てはまる語句または文章がどの主張に当てはまるのかを考えることで、穴埋めの目星がつけやすくなります。抜き出し問題の場合も、まずは文章の構成を理解した上で、空欄に当てはまる語句を予想しましょう。
指定の文字数から導こうとすると当てはまる語句が多くなり迷いやすいため、内容で判断するよう心がけます。選択肢を選んだ後は、前後の文章を読んで矛盾が発生しないか確認しておきましょう。

3-3. 文並び替え

文並び替えでは、“接続詞”と“指示語”が大きな手がかりになります。接続詞は文同士がどのようにつながっているかを考える助けになり、指示語はどの文の内容を受けて展開されているのか考えると掴みやすいです。接続詞や指示語がない場合でも、同じ要領で内容の関係性を基に文のつながりを考えましょう。
ただし、この形式の問題は考え過ぎてかえって深読みしてしまい、解答に時間がかかってしまうことも…。答えに迷う場合は一旦飛ばして、見直しの際に頭をリセットした状態で解き直すのもおすすめです

3-4. 記述

記述問題は学部によって出題の有無が異なるため、まずは受験する学部の出題傾向を確認しましょう。
例えば法学部では、120~180字程度の長文記述問題が高頻度で課されますが、たいていの学部では短文記述、もしくは記述問題なしであることが多いです。とはいえ、年度によっては記述問題が課される学部もあるため、どの学部を受験する場合でも対策しておく方が安全です。
長文記述問題では、限られた時間の中でボリュームのある答案を完成させるため、効率的に文章をまとめる力集中力を切らさず長めの解答文を書き切るスタミナをつけることを意識して、定期的に演習に取り組みましょう。
短文記述問題では、該当箇所を簡潔に言い換えて自分の言葉でまとめる作業が中心になります。短い言葉で言い換えるための語彙力を蓄え、実際に運用できるまでに慣れておくことが大切です。
傍線部説明問題と同様、よく出るのは言い換えと理由を問う形式の2パターンなので、記述の問題でも共通の着眼点として参考にしてください。傍線部説明問題を記述で解答するなどして対策することもおすすめです

3-5. 内容一致問題

「本文の趣旨と一致するものはどれか」のような、本文全体の理解を問う問題です。
本文とは異なる表現や、本文の内容を抽象化したような選択肢も多くみられるので、選択肢の表現や単語のみに着目するのではなく、本文の趣旨に本質的に対応しているかどうかを判断材料にしましょう。選択肢の文章量が多い傾向があるので、意味ごとに文章を区切るなどして効率的に正誤を判断できるとよいです。
最後の設問として出題されることが多いので、それまでに解いた小問から要点を整理する、などの解法もおすすめです。

4.「早稲田の国語・現代文」対策におすすめの問題集

4-1. 国語全体(過去問系)

早稲田の国語 [第8版] 早稲田の国語 [第8版]
過去問題集
大学別
早稲田の国語 [第8版]
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笹岡信裕
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早稲田の国語[第8版]』(教学社)
大学入試の過去問集である「赤本」シリーズで、早稲田の入試12年分の過去問から学部問わず厳選された23題が収録されています。「現代文」「古文」「現古漢融合文」「漢文」と章が分かれており、苦手分野に重点的に取り組めます。
分野別の学習法も基礎から紹介されているため、本格的に過去問を解き始める前段階としてもおすすめの1冊です。

 

2023早大入試プレ問題集 国語 2023早大入試プレ問題集 国語
国語
国語(その他)
2023早大入試プレ問題集 国語
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代々木ゼミナ-ル
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2023早大入試プレ問題集 国語』(代々木ライブラリー)
早稲田の入試に特化した模試である「早大入試プレ」の過去問が、4年分収録されています。全学部の出題形式を網羅しており、不正解の選択肢についても丁寧に解説されているなど、この1冊で早稲田入試を攻略するための骨太の国語力を鍛えることができます。
問題のレベルとしては早稲田の実際の入試問題よりやや難しく、国語を得点源にしたい人に特におすすめです。

4-2. 現代文

大学受験スーパーゼミ 徹底攻略 現代文解法の新技術 大学受験スーパーゼミ 徹底攻略 現代文解法の新技術
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大学受験スーパーゼミ 徹底攻略 現代文解法の新技術
5
柴田敬司
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大学受験スーパーゼミ 徹底攻略 現代文解法の新技術』(桐原書店)
現代文における解法のポイントがさまざまな問題形式別に解説されています。
ただ解法テクニックが紹介されているのではなく、なぜこの解法が有効なのか丁寧に説明されているため、解法と同時に論理的に文章を読む力が身につきます。記述問題についての解説もまとめられており、独学では対策が難しい記述解法の基礎力を養えるでしょう。
練習問題は各解法に特化した短い課題文が用意されており、効率的に現代文読解の要点を押さえることができます。
本格的な過去問演習に取り組む前に、読解力向上の基礎固めとしておすすめの1冊です。

 

柳生好之のThe Rules現代文問題集4入試最難関 柳生好之のThe Rules現代文問題集4入試最難関
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現代文
柳生好之のThe Rules現代文問題集4入試最難関
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柳生好之
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柳生好之のThe Rules現代文問題集4入試最難関』(旺文社)
国立・私立の難関大学で出題された文章10題が収録されています。そのうち4題は記述がメインになっており、手薄になりがちな記述演習のトレーニングにも打ってつけ。
設問の解説はもちろん、解き方のステップ、問題文自体の咀嚼など、非常に解説が充実している点が特徴です。各ジャンルの問題文を解く上で知っておくべき「現代文読解のルール」も紹介されており、演習の中でこのルールを基に、現代文を読み解く実践的な力を養うことができます。
演習量を確保しつつ、最新入試の傾向を踏まえた現代文の解法を確認したい人におすすめです。

 

評論・小説を読むための新現代文単語 評論・小説を読むための新現代文単語
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現代文
評論・小説を読むための新現代文単語
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評論・小説を読むための新現代文単語 改訂版』 (いいずな書店)
現代文を解くのに必要な基本的な語彙から最新の評論キーワードまで、幅広い用語を学習できます。丁寧な解説と豊富な収録内容が特徴です。
用語の解説では、「入試で注意するポイント」や「類義語」「関連語」など、プラスアルファの情報も掲載されているほか、テクノロジー分野など評論で扱われる中でも最新の用語が確認できる「時事用語」も収録。
頻出テーマの紹介では、収録単語を用いた詳しい解説に加え、最後にテーマの関連文章と確認問題を通して、語彙力や背景知識をよりブラッシュアップできます。
語彙力と背景知識が重要になる「早稲田の現代文」を対策するための土台づくりに、おすすめの1冊です。

5. まとめ

早稲田大学・一般選抜入試における現代文を対策する上での要点をまとめます。

  1. 課題文の難解さに囚われず、本文趣旨の本質的理解を第一に心がける
  2. 頻出テーマに関する背景知識や語彙を十分に身につける
  3. 各出題形式の傾向を理解して、それぞれに応じたトレーニングを積んでおく

難解な文章や紛らわしい選択肢が登場する早稲田大学入試の国語ですが、奇をてらった対策は必要ありません。まずは本記事と過去問を参考に、“早稲田ならでは”の出題傾向や特徴を掴んでください。
暗記などのインプット作業が少なくて済む現代文だからこそ、実践的な演習の量が本番での得点を左右します。現代文を頼れる得点源にして、早稲田大学合格を掴みましょう!

*早稲田大学の入試対策や現代文の勉強におすすめの参考書については、これらの記事も参考にしてください。

>>【早稲田の国語・古文漢文編】現役早大生が解説!早稲田大学の入試傾向と問題形式別の勉強法

>> 早稲田大学の入試対策におすすめの参考書!合格した先輩の「使い方レポート」集~英語・国語・世界史・日本史編~

>> 現代文の参考書を厳選!評論・小説の読解力を付けるためのおすすめ7冊

StudiCoサポーター Y.K.
早稲田大学 文学部 合格