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【共通テスト】物理のおすすめ勉強法と参考書 ~高得点を狙うコツと実戦テクニック~

2023.05.08

理系受験生が共通テストの「物理」を得点源にしたい場合、事前に出題の傾向を把握することは必要最低限のミッションです。
「公式を覚えても点数が伸びない…」「計算ミスをどう検算すればいいか分からない…」――そんなお悩みをこの記事で解消しましょう!
共通テスト「物理」の特徴や各分野のポイント、おすすめ参考書を紹介するほか、実戦で役立つテクニックについても解説しますので、しっかり押さえて高得点を目指しましょう!

1. 共通テスト「物理」の特徴

共通テストでは、各分野から基礎的な問題が分野を問わず幅広く出題されます。試験本番で高得点を取るには、苦手分野をつくらないことが重要です。
難易度自体は旧センター試験とそこまで大きな差はありませんが、グラフやイラストを使った出題が多い傾向にあるため、グラフの特徴をよく理解した上で、縦軸・横軸がどのように設定されているかなどに気を付けて解きましょう。
イラストは問題を解く手がかりになる一方で、勘違いをして誤った結論を導いてしまう場合もあるため、「力学」なら「質点」や「剛体」、「熱力学」の問題なら「理想気体」に置き換えるなど、必要に応じて物理的なモデルに変換して考えてみましょう。
共通テストの「物理」では数値的な計算を課されることがほとんどなく、内容がしっかり身についていれば「化学」よりも点数が安定する科目と言えます。

2. 公式を覚えても点数が伸びない理由

公式を覚えてはいるけれどもあまり点数が伸びず、間違えた問題の解説を見て、「そっちの公式を使えばよかったのか…」と落胆した経験はないでしょうか。理由として考えられるのが以下の2点です。
(1)現象について理解しないままとりあえず公式を使っている
(2)そもそも何を求めるべきなのかよくわかっていない
(1)の理由で点数が伸びない場合は、発展問題では何となく公式を使って正しい答えを導出できるが、むしろ理解度が問われる基礎問題で間違えてしまう、というケースが多いと思います。このような場合は教科書をよく読み返して、理解があいまいになっている部分を、先生や物理が得意な友だちに質問してみましょう。
「力学」は比較的現象についてイメージがしやすい分野ですが、特に「波動」や「電磁気」の分野では、“公式は暗記しているがよく理解できていない”部分がいくつかあるのではないでしょうか。
(2)の理由で点数が伸びない場合は、公式そのものだけでなく、「頻出問題の解答過程でどのように公式を使うか」まで覚えることを意識しましょう。

3. 実戦で役立つテクニック「次元解析」

問題を解いていて、そもそも答えるべき「次元(単位)」が間違っていたという経験はないでしょうか。そのような時におすすめなのが、「次元解析」というテクニックです。
質量の単位がgやkgであるのに対し、単位の選び方によらない質量の次元を[M]とします。同様に、長さの次元を[L]、時間の次元を[T]とすると、「力学」の物理量はこの3つの次元を用いて表すことができます。
例えば、「速度」は変位を時間で割ることにより求められるため、以下のように表すことができます。
[速度]=[LT -1
同じように、「加速度」は速度の変化量を時間で割ることにより求められるため、以下のように表すことができます。
[加速度]=[LT -2
ニュートンの運動の法則より、「力」とは質量と加速度の積であるため、以下のように表すことができます。
[力]=[MLT -2
「力」を求める問題で、自分の答えの次元がこれに一致していなければ、解答に至るまでの過程のどこかに間違いがあるということです。
ほかの物理量も同じように「次元解析」によって次元を確かめることができるので、物理における検算として役立ちます。答えの選択肢が用意されている共通テストだけでなく、私立大学の個別試験や国公立大学の二次試験にも役立つテクニックなので、是非使えるようにしておきましょう。

4. 各単元の特徴・ポイント

4-1. 運動とエネルギー

「力学」に苦手意識がある場合は、物体にどんな力が働いているか図示しながら問題を解きましょう。
「保存力」や「力学的エネルギー」といった勘違いをしやすい概念があるため、まずは定義を理解することが大切です。「力学」で習った内容は他の分野でも使うものばかりなので、確実に身につけておきたいところです。
「熱力学」は、ミクロな視点とマクロな視点どちらも要求される分野です。〈圧力、体積、温度、物質量〉のどの値が固定されていて、どの値が問題になっているかきちんと整理すれば、苦手意識はなくなるはずです。

4-2. 波動

公式に頼り過ぎず、何が起こっているかをしっかり理解することが重要な分野です。
特に「ドップラー効果」や「回折格子」をテーマにした問題は頻出ですが、公式を暗記しているだけでよくわかっていないケースも多いのではないでしょうか。教科書等のイラストを参考にしながら、自分で図を描きながら解いてみると理解しやすいと思います。

4-3. 電気と磁気

「電位」や「電場」「磁束」など、イメージがしにくく難しい概念が多いため、教科書をよく読み、基本問題を解くところから始めましょう。また、さまざまなタイプの問題があるので、演習にじっくり時間をかけたい分野です。
対策に時間はかかりますが、しっかり身についていれば他の受験生に大きく差をつけられます。「力学」「波動」「熱力学」の勉強を早めに仕上げて、「電磁気」の勉強に時間をかけられるようにしましょう。

4-4. 原子

4-4. 原子
共通テストでは「原子」の問題も少なくないので、対策をおろそかにしないようにしましょう。「光電効果」や「コンプトン効果」「量子条件」など、よく問題になる部分から理解を深めていくのがおすすめです。
「力学」「波動」「電磁気」を総合した分野なので、これまでに勉強した内容をしっかり復習して身につけておきましょう。

5. 演習におすすめの参考書

大学入学共通テスト 物理 実戦対策問題集 大学入学共通テスト 物理 実戦対策問題集
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土屋博資
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大学入学共通テスト 物理 実戦対策問題集』(旺文社)

確認問題・基本問題・実戦問題の3段階に分かれていて、基礎内容から確認したい場合におすすめの参考書です。収録されている問題のほとんどがグラフやイラストを使った問題で、共通テストの傾向に合った演習を積むことができます。
解説では、現象についてポイントを押さえた説明がなされているので、正解した問題でも正しく理解できていたか改めて確認しておきましょう。

 

2023年用共通テスト実戦模試(8)物理 2023年用共通テスト実戦模試(8)物理
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2023年用共通テスト実戦模試(8)物理
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Z会編集部
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2023年用共通テスト実戦模試(8)物理』(Z会)

他の問題集と比較してかなり難易度が高いのが特徴です。共通テスト本番で8割以上の得点を目標としている場合、この問題集で6割から7割得点できれば十分とも言えるでしょう。
共通テストではあまり見かけないタイプの問題も収録されているので、あらゆる出題を想定して「確実に高得点を取りたい!」という場合にはおすすめの参考書です。

 

名人の授業シリーズ 橋元の物理をはじめからていねいに【改訂版】電磁気編 名人の授業シリーズ 橋元の物理をはじめからていねいに【改訂版】電磁気編
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名人の授業シリーズ 橋元の物理をはじめからていねいに【改訂版】電磁気編
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橋元の物理をはじめからていねいに【改訂版】電磁気編』(ナガセ)

「電磁気」分野のさまざまなタイプの問題にひとつひとつ細かい解説がされており、教科書だけでは十分理解できなかった、あるいは「電磁気」の問題をひと通り確認しておきたいといった場合に、おすすめの参考書です。
問題の解説に加え原理についてもかみ砕いた説明がされているので、「電磁気」の範囲の理解の手助けになるでしょう。

6. まとめ

共通テスト「物理」の特徴や各分野のポイント、おすすめの参考書を紹介しました。
「物理」はコツさえつかんでしまえば、得点が安定して取れる科目と言えます。公式の形をただ覚えるだけでなく、問題を解く上でどう使うかをセットで覚えることを意識すれば、次第に現象への理解も深まるはずです。
実戦で役立つテクニックも紹介しましたので、検算をするように意識してさらなる得点アップを目指しましょう!

StudiCoサポーター I.T.
東京大学理科一類 合格