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【東大生のお悩み相談Q&A】 化学の勉強法を教えて!東大生が語る大学受験「化学」攻略への道

2019.04.11

「化学」の勉強法に悩む高校生に、東大合格をつかんだ先輩たちがアドバイス!受験勉強をこれから始める人や、化学になんとなく苦手意識を持つ人のために、東大生がレベル別の勉強法を具体的にレクチャーします。また、化学が東大合格のカギになったという、ぜひとも参考にしておきたい先輩の体験談も掲載しています。
東大生たちからの、厳しくも温かいメッセージ。受験で成功した先輩の勉強に対する「考え方」を学んで、合格までの距離を縮めましょう!

1. 化学が苦手…勉強法を教えて!

※この章の内容はこちらの記事の第1章と共通となります。
>> 【東大生のお悩み相談Q&A】物理の勉強法を教えて!東大生が語る大学受験「物理」攻略への道

Q:物理と化学が苦手です…。どういった勉強をしたらよいのでしょうか?(高校2年生・女子)

【東大生の回答】

苦手だと感じる部分は具体的にはどこでしょうか。まずはそこを考えましょう。

  1. 公式を覚えられていない
  2. 暗記事項を覚えられていない
  3. 基本的な考え方を理解できていない
  4. 複雑な計算式を立てることができない

このような状態に陥っていることが考えられますね。
化学や物理のそれぞれの単元について、(1)~(4)いずれかの状態になっていないかを確認しましょう。
もし(1)~(3)の状態ということであれば、その単元については当然ながら問題を解くことができません。教科書の内容を復習しましょう。  
センター試験までの対策で良いならば教科書と基礎的な問題集を完璧にして、あとはセンター試験演習の問題をたくさん解けば大丈夫だと思います。今使っている教科書と問題集の問題をすべて解く ことができるでしょうか?まずはそこから始めましょう。
おすすめの勉強としては、教科書や問題集の基本例題をすべて解いてみることです。 これができないということは、(1)~(3)のどれかが理由だと思いますので、基本を習得し直しましょう。
解けるということであれば基礎は習得できていますので、基本問題に進んで、立式する力を養っていきましょう。
どの科目でも言えることですが、基本を習得することが大切です。
化学・物理は苦手だからと思考停止に陥るのではなく、自分は何がわかっていないのかをまず分析 しましょう。公式が分かっていないならば、それを覚えれば良いはずですし、いつも電池の問題を間違えるのであれば、その化学反応を暗記して、基本例題を何度も練習すれば改善されると思います。
地道な作業ですが、勉強はやればやれるだけ結果が出るものですので、毎日着実にがんばってください。
(東京大学・理学部 T.Y)

2. 化学の基礎力をしっかり身につけたい!

Q:化学の基礎がしっかり身に付く復習の方法を教えてください。(高校1年生・男子)

【東大生の回答】

化学は公式を覚えるだけでは問題が解けない科目です。まず基本知識を理解し覚え、問題を解く手がかりとして使えなければいけません。
大学入試で問われる化学の問題は大きく分けて3種類です。

  1. 知識がそのまま問われる問題(原子の構成・周期表・結晶・コロイドなど)
  2. 基本公式を組み合わせて解く問題(気体の性質・反応熱計算・中和・酸化還元反応など
  3. 知識を総合的に用いて物質を推定していく問題(有機化学・無機化学)

(2)は公式を覚えるだけでなく理解すること、(3)は基本事項を整理して分類して覚えることが対策として必要になります。
基本事項はどうしても暗記に頼る面が大きくなりがちですが、ただただ暗記しようとすると無味乾燥になってしまい、なかなか頭に入りません。そのため、理解しつつ体系的に暗記していくことが重要になります。実験を通して自分で体験する、参考書の実験のモデル図を見るなど、五感を使うことで暗記しやすくなり、理解も容易になります。
また、全体を通して言えることは、問題は出題パターンが決まっているので、多くの演習を通じてそのパターンに慣れておくと、自然に問題が解けるようになるということです。そのためには自分の手で問題を解く事が大切です。
その際間違えた問題は「なぜ、どこで間違えたのか?」「どう考えると解答に辿り着けるのか?」を必ず考えましょう。
答えを見ないで問題を解いてみて、知らない事項は調べる。ありきたりのようですが、やっていない人の方がはるかに多いのです。
正解を自力で出した経験は自信になります。とにかく自力で解答に辿り着けるようになることが大切です。がんばりましょう。

以下は化学のレベル別勉強法のアドバイスです。

●基礎レベル
苦手な分野が多くても焦らず、まず1テーマずつ完成させましょう。
特に気体の扱いが苦手な人は、そこから取り掛かれば化学らしい考え方に慣れることができるはず。まずは気体からやりましょう。その場合に書き込み式(サブノー ト式)ワークを使うのがおすすめです。まずは教科書レベルの基礎知識を固めましょう。

●標準レベル
苦手分野に集中しすぎて他の分野がおろそかにならないよう、苦手分野にウエイトを置きながらも他分野の問題演習は続けるようにしましょう

●得意レベル
取り立てて苦手分野が無ければ積極的に「総合演習」に挑戦しましょう。決して焦って学習することはないので、演習問題で間違えたところを中心に復習するようにしましょう。

(東京大学・工学部 F.K)

3. 化学式が覚えられない…効率的な覚え方はある?

Q:化学式が全然覚えられないのですが、何か効率の良い覚え方があったら教えてください。(高校2年生・女子

【東大生の回答】

化学式の覚え方として、圧倒的に効率の良い方法は残念ながらありません。地道にコツコツと少しずつ覚え、長い時間をかけてやっと定着するものです。
ただ、多くの化学式を覚えよく理解できていれば、化学式を見るだけで化学反応が起こる様子を頭の中で瞬時にイメージすることが可能になります。そのような段階までになると、化学式を覚えるのが苦でなくなります。
ですからまずは化学式をたくさん覚えることです。そうしないと化学式のイメージを持てません。そして化学式を覚える時には、実際にはどんな実験を行っているのかを想像するようにしましょう。
例えば

NaOH +HCI → NaCL + H2O 
であれば「水酸化ナトリウム水溶液に塩酸水溶液をまぜたら、塩化ナトリウムの水溶液ができた」と想像できます。
この想像が自力でできるようになるには、まずは化学式をたくさん覚える必要があります。ですからまずは頑張って化学式をコツコツ覚えましょう。
暗記物は時間が経過すると忘れてしまうので、空き時間を利用して繰り返し覚えてください。暗記と並行して写真が豊富な図説集を活用すると印象に残り、記憶に定着しやすくなります

また、テストで失敗した問題はノートを作って書き貯めておいて、あとでまとめて覚え直すのも良いと思います。
(東京大学・工学部 I.A)

4. 2浪の末に東大合格!カギになった化学の勉強法とは?

※この章の内容はこちらの記事の第3章と共通となります。
>> 第一志望を諦めない!東大生が語る受験時の決意と反省点

Q:今のままの勉強法が自分に合っていないような気がします。このまま続けていても成果が出るかどうか不安です。何か対策方法を教えてください。(高校2年生・男子)

【東大生の回答】

私は医学系大学院で勉強している修士1年生です。私の受験での失敗と、それをどう克服していたかを紹介します。
私は2浪しました。なぜ2浪もする羽目になったかというと…勉強してなかったからですね(笑)
もともと数学は好きだったということ、英語は予習の必要のある塾に通っていたことから、この2教科に関してはある程度勉強する習慣がついていました。しかし他の教科、特に化学はほとんど勉強してきませんでした。
今回は化学に絞って話します。ただ勉強に対する姿勢等は化学を選択していない人にも参考になるかと思います。
さて現役時代は実際にどうやって勉強していたかというと、定期テスト前に赤点を取らない程度にしかやっておらず、現役の時のセンター試験は、無機の分野など地道に暗記をしていなければならないところは散々で50点くらいでした。
他の科目に関してもコツコツと暗記していくということをしていなかったために、2次試験前の入試問題演習に入ってからも他の受験生と比べて点数の伸びが良くありませんでした。
1浪目の時もあまり化学をちゃんと勉強しないままやってしまって過ごしてしまい失敗したので、2浪目ではどうすれば自分がちゃんと暗記できるだろうかと考えました(ここに至るまでが遅いですね)。
2浪目の時にはちゃんと化学を一からやり直そうと思いましたが、単語帳を作ったり、参考書を読んで暗記したりするのは続かないし、覚えられないと経験していたので、とりあえず問題を解くことにしました。
「習うより慣れろ」ですね。問題集はセミナー化学』、『重要問題集』、『化学の新演習を順にやっていきました。その際、分からない問題があれば、暗記できていないからなどとすぐに解答を見るのではなく、教科書や参考書を調べて、分かったことをそのままノートに書き写しました。そしてそれを頼りに問題を解いていきました。
大問1問ごとに答え合わせをして、今度は解説をそのまま丸写ししていきました。(英単語を覚える際にもやりますよね?)どうせ暗記しようとしても無理なのだからと思って、漢字の練習のようにただただ写しました。1問ごとに時間はかかりますが、『セミナー』や『重要問題集』は解説が充実しているために得られるものは大きかったと思います。
そのおかげで化学は、センター試験では90点、2次試験では40点(60点満点)を超すことができたと思います。最初のころはどうすれば早く、楽に、効率的に覚えていけるかということを考えていましたが、結局は地道にコツコツと目の前の1問1問を大切にして勉強していくことが、合格のために必要だと思いました
みなさんの中にも暗記が苦手な人もいるかもしれません。受験は長い道のりで嫌になることもあるかもしれません。それでもコツコツと積み重ねていった人が合格していくように思います。皆さんの目標に向かって頑張ってください。
(東京大学・医学系大学院 N.T)

*【東大生のお悩み相談Q&A】について理科の記事は3科目分あります。ぜひ他の科目の記事も合わせて読んでみてください。
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