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大学受験の英作文対策で陥りがちなNG例4パターンと成果を出すための基本戦略

2019.02.01

大学入試に向けた英作文対策は迷いなく進んでいますか。この記事では、英作文対策で陥りがちな「落とし穴」とそれを回避する方法を紹介します。
「英文法の知識・語彙力が不足している」「志望校の出題傾向を知らない」「志望校の対策しかやらない」「配点と時間配分への意識が足りない」という、英作文対策にありがちな4つの問題点にスポットを当て、なぜそれが問題なのか、どうすれば効率的に得点へ結びつく学習に変えられるのかについて解説していきます。
では、ひとつひとつ考えていきましょう。

1. NG例-1 英文法の知識・語彙力が不足している

英作文とは、英文法の知識を骨格として、自分が使いこなせるボキャブラリーで肉付けをしていく作業です。英作文で高得点を目指すために最も重要なことは、英文法のマスターと語彙力強化、この2つに尽きます。
もちろん、実際の入試問題(過去問)の演習は必要ですし、意見陳述型の自由英作文であれば、論理的に英文を構成するための訓練も必要ですが、それらはすべて英文法とボキャブラリーから成る「土台」のうえに築いていく力です。この「土台」が盤石であれば、英作文の本格的な入試対策は、高校3年生の2学期からでも十分間に合います
逆に言えば、文法の知識があやふやで語彙力も貧弱なら、どれだけ早く英作文対策を始めたところで、得点力アップは望めません。
文法のマスター+語彙力強化 ⇒ 英作文対策」という順序はしっかり意識しておきましょう。
文法知識や語彙力がまだ不足しているのに英作文対策を始めてしまう背景には、入試本番への時間的な焦りが原因として考えられます。
入試直前になって焦らずに済むように、おおまかな学習プランを立てておくことが非常に重要です。
標準的な学習プランを2パターン、表にまとめました。これを参考に、自分の英作文対策の見通しを立ててみましょう。 

(1)高校3年生の夏までは部活動等で忙しい人向け学習プラン

高校1~2年生 文法 学校の授業をおろそかにしない。テスト勉強の際にしっかり知識を定着させる
語彙 学校指定の単語帳があれば、それをコツコツ覚えていく。学校指定のものがなければ、遅くとも高校2年生の時点で購入し、暗記に励む
高校3年生の夏 文法 文法・語法問題集(1冊でよい)をひととおり解き終える
語彙 単語帳(1冊)2周目を終え、掲載語句の7~8割は覚えておく
高校3年生夏休み 文法・語彙 これまでの学習で終わっていない内容があればここで挽回する
高校3年生2学期 英作文 本格的な英作文対策を開始

(2)中高一貫校など進度の早い学校に通っている人向け学習プラン

高校1年生 文法 文法事項の学習がひととおり終わる
語彙 学校指定の単語帳があれば、それをコツコツ覚えていく。学校指定のものがなければ標準レベルのものを自分で購入し、暗記に励む
高校2年生 文法 文法・語法問題集などで演習
語彙 引き続き単語帳を暗記。必要に応じて、より難度の高い2冊目の単語帳に取り掛かる
高校3年生1学期 英作文 本格的な英作文対策を開始

難関大学を目指す人、とりわけ難易度の高い英作文を出題する大学を受験する人は、早めにスタートを切るに越したことはありません。
しかし、文法も語彙も十分定着していないまま入試を迎えてしまうと、英作文のみならず文法問題、長文読解、リスニングなど、すべての分野で点が取れないので、英語の試験が総崩れという悲惨な事態が待ち構えています。それだけは絶対に避けたいですよね。
そのためにも、まずは文法・語彙の基礎固めを盤石にした上で英作文対策に取りかかるようにしましょう。

英単語学習については、効率的な覚え方ガイドを用意しています。こちらの記事もチェックしておきましょう。

>> 英単語の効率的な覚え方を伝授! 〜学習スタートから仕上げまでを安心ナビゲート〜

2. NG例-2 志望校の出題傾向を知らない

2つめのNGパターンは、志望校の過去問を研究・分析していない、というものです。
英作文に限って言えば、過去問を数年分入手して全体にざっと目を通すだけでも、次のような基本事項は簡単に調べられます。

  1. そもそも英作文の出題はあるのか
  2. あるとすれば、どのような形式か
    (部分英作文/和文英訳〔1文か複数文か〕/自由英作文)
  3. 語数はどの程度か(自由英作文の場合)
  4. 配点はどの程度か

英作文は、出題形式が大学によってかなり異なります。
いくつかの大学の例を見てみましょう。

●早稲田大学・法学部(2017年度、2018年度)
⇒グラフの読み取り。指示に沿ってグラフのデータ内容を簡潔に英語で表現する。

●慶応義塾大学・経済学部
⇒長文読解と連動したユニークな出題形式。「自分の意見と異なる見解にも言及すること」といった指定もある。

●横浜国立大学
⇒手紙に対する返信を書くという形式。相手からのお願い・依頼に適切に応じた書き方が求められる。

●東京外国語大学
⇒リスニング問題との融合。リスニングで聞き取った内容を200語程度で要約する問題。

これだけ見ても、大学によっていかにバリエーションが多様かわかるでしょう。
したがって、できるだけ早い段階で志望校を決定し、その傾向分析に取りかかるのが理想ではあります。しかし、「志望校が決まっていないから過去問を調べられない」という人もいるかもしれません。
その場合、念のため、検討している大学すべての過去問をひととおり確認しておきましょう。学校の進路指導室や図書室に「赤本」などの過去問集があれば閲覧し、見当たらなければ先生に直接相談してみるのもよいかと思います。
それによって、検討中の全大学で英作文が出題されないとわかれば対策は不要ですし、逆に全ての大学で出題されるとわかれば、出題形式に違いがあったとしても、何らかの対策を始めることはできます。
悩ましいのは、志望校候補の中に英作文を出題する大学と、しない大学が混在しているケースですが、その場合でも、出題するほうの大学を選んだとしたら、どのような対策が必要になるのか、早い段階で知っておくことは決して損にはならないでしょう。

3. NG例-3 志望校に特化した対策“しか”やらない

「これまでの話と矛盾しているじゃないか!」と怒られてしまいそうですが、自分の志望校の対策“しか”やらないのは、リスクを伴う勉強法です。
というのは、前年度までの出題形式が自分の受験時にも必ず踏襲されるという保証はないからです。
事実、2018年度の入試では、東京大学と京都大学が英作文の問題で例年とは異なる出題形式を採用し、受験生や受験関係者を驚かせました。東大では独特な自由英作文を2題課すのがそれまでの慣例となっていましたが、2018年度では1題をオーソドックスな和文英訳問題に変更。一方、クセが強く、きわめて難易度の高い和文英訳を例年課すことで有名な京大が、一部自由英作文を含むスタイルに変更したのです。
理由はいくつか考えられるでしょう。
近年、難関大学の入試は徹底的に研究し尽くされており、受験生は、予備校や市販の参考書などの助けを借りて出題傾向を知り、かなり有効な事前対策を立てられるようになっています。
当然、大学側もそのことを把握していますから、予想外の問題を出題することで、受験生の、付け焼刃でない、本当の英語力を測ろうとしているものと考えられます。
また、現在、大学入試における英語試験は大きな過渡期を迎えています。
2020年度に始まる大学入学共通テストで導入される予定の民間試験では、従来の試験とは異なり、「4技能」(リーディング・リスニング・ライティング・スピーキング)がバランスよく問われる試験に変わります。この流れを見越して、発信力(英作文やスピーキング)を問う問題の比重を増やす大学もあるかもしれません。
大切なのは、試験本番で例年とは異なる形式の英作文が出題されても、焦らないこと。驚くのは周りの受験生もみな一緒です。「もしかしたら今年から出題形式が変わるかも」ということを頭の片隅に置いておくだけでも、当日のショックは軽減することができます。
それ以上に重要なのは、特殊な形式にのみ対応する力より、幅広い形式に対応できる柔軟な英語力を身につけるような勉強を、日頃から意識することです。
これは何も特別な対策が必要だということではありません。やはりここでも、文法の網羅的理解、豊富なボキャブラリーと正確な運用力、これらが生きてくるのです。
ただし、おそらく変わらないだろうと予測できる要素もあります。
英作文問題に割り当てられる配点や課せられる分量(語数)です。例えば、例年「1文英作文」を出題し、100点満点中5点をこの問題に割り当てていた大学(学部)が、次の年から急に200語の自由英作文を出題するということは現実的にあまり考えられません。なぜなら、もしそうした変更をおこなったとすれば、この問題に割り当てられる配点は当然大きくなり、他の設問を大幅に削って、全体のバランスを取らなければならず、試験問題全体の形式を再検討する必要が出てきてしまうからです。
そのため、問題の形式が変更になるとしても、その問題の規模(=配点、語数、解くのに必要な時間)は変わりにくい傾向にあるのです。
したがって、例年「80語程度」の英作文を出題する大学を目指しているのであれば、80語でまとめるトレーニングは高い確率で無駄にはなりません。時間配分を決めて、その中で決められた語数で文章をまとめる練習はこれからも有効だといえるでしょう。

4. NG例-4 配点と時間配分への意識が足りない

入試も直前に迫り、志望校の過去問演習の段階に入ったら、英語の試験全体の配点と試験時間を確認し、その中で以下のことを確認します。

  1. 英作文に割り当てられた配点は何点か
  2. どのくらいの時間がかけられそうか

この作業は、英作文の設問に限らず、1つの試験問題全体でおこなうものであり、文法問題でも長文読解でも、ある程度かける時間はメドをつけておく必要があります。
中でも英作文問題は、時間配分の管理が非常に重要になります。
何を書けばよいかわからない、単語が思い出せない、冠詞がいるのかいらないのか迷う…などと延々悩んでいるうちに、どんどん時間が過ぎていきます。英作文に時間をかけるあまり、より配点の高い長文読解などがおろそかになってしまっては本末転倒です。

早稲田大学(政治経済学部)の英作文問題では、親切にも、

 It is suggested that you spend no more than 15 minutes on this section.

 (このセクションに15分以上かけることは推奨しません) 

という注意書きが付されているほどです。

長文読解に組み込まれた設問のひとつとしての1文英作文と、大問ひとつが丸ごと割り当てられている200語の英作文とでは、配点も難しさも大きく異なり、試験時にかけるべき時間も変わってきます。
もっと言えば、前者の場合、うまく書けそうもないと思ったら、その問題はあきらめて他の問題に注力すべきですが、後者の場合なら、どんなに難しくても、少しでも多くの点をもぎとろうとする姿勢が必要になります。
試験全体を見渡して、合計得点が最も高くなるように解く問題の優先順位を決める
そういう視点を持つことが重要です。

5. まとめ

英作文対策を誤らないための4つのNGパターンを見てきました。
それを回避し、効率よく勉強するためのポイントをもう一度振り返っておきましょう。

●NG例-1 英文法・語彙力が不足している
⇒まずは英作文の「土台」固めを。英作文の実践的演習は2学期からでも間に合う。

●NG例-2 志望校の出題傾向を知らない
⇒ここがまずスタート地点になる。必ず調べよう。

●NG例-3 志望校に特化した対策“しか”やらない
⇒入試本番で予想外の問題が出たときに対応できないリスクがある。特に国公立志望の人は応用が利く作文力を養っておこう。

●NG例-4 配点と時間配分への意識が足りない
⇒英作文は最も時間を食いがちな問題。配点の大きさと天秤にかけてしっかり時間管理を。

英作文対策は、まずは英語の基礎をしっかり身につけてから着手する方が早いということ。そして志望校の出題傾向を調べることが大切ということを覚えておいてください。

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