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間違いノートで効率的に勉強しよう ~ミスを次に活かすノートの作り方と活用方法~

2021.08.04

問題を解いたり、単語を覚えたりする毎日の受験勉強の中で、「間違えたもの」や「わからなかったこと」は日々蓄積していくものです。自分のミスの積み重ねを記録し、繰り返し見直すことで効率的に学習する方法――それが、「間違いをノートにまとめる」こと。受験勉強を成功させるカギともなる、このノートの作り方と活用方法を、具体的なまとめ方を交えて紹介します。ぜひ自分専用のノート作りに活かしてください!

1. 「間違い」をノートにまとめよう

受験勉強をする中で「間違えた」「覚えきれていない」「理解しきれていない」内容は、自分の頭の中だけに置いておかず、ノートに書き留めてみましょう。間違えた項目と簡単な解説などを記録しておくことで、後から見返した時に、自分が具体的にどのような内容がわかっていないのかを確認できるようになります。
これが、間違えたものをまとめるノート、いわゆる「間違いノート」などと呼ばれるものです。
例えば、過去問を解いていて間違えてしまった世界史の語句や、実際に問題を解く時に頭に思い浮かべられなかった数学の公式などを、「間違えたもの」としてメモしておきます。この時、科目毎に別々のノートに書き留めるのではなく、後から短時間でまとめて見返せるよう、全ての科目の内容を1冊共通のノートにまとめることがポイントです。さらに、間違えた内容に自分なりの解説を付け足したり、感想を書いてみたりすることで、知識を自分だけの形にして記録していくのです。
また、「間違いノート」は、自分の勉強してきた〈努力の蓄積〉を記録するノートでもあります。日々問題を解いていればそれだけ間違える回数も増えるので、ノートの記録も増えていきます。毎日の積み重ねが集約されるので、成長していることを感じにくい受験生活のなかでも、自分が学習し続けているわかりやすい証拠にもなります
ぜひ「間違いノート」を作って、勉強を効率的に進めましょう!

2. 「間違いノート」の活用方法

間違えたものをまとめることで、学習内容の定着を効率化する「間違いノート」。その活用方法の例を紹介します。

2-1. その日のうちに間違えた内容をまとめて確認

1日の勉強量が多い受験生にとって、その日に学んだことはできる限り忘れたくないものです。そこで、「間違いノート」に記録した内容を、寝る前の数分で確認してみましょう。当日中であっても、案外覚えていないことが多いかもしれません。
ノートを見返すことにより、記憶の定着しやすい就寝前のタイミングで、「1日の復習」を簡単に消化することができます。その日の終わりにもう一度、間違えた項目を思い出してみましょう。

2-2. スキマ時間に今までのミスを復習

英単語でも社会科目の語句でも、暗記系は何度も繰り返して覚えることが重要になります。「間違いノート」も1回2回の確認で終わりにするのではなく、忘れた頃にもう一度、前の方のページを開いてみましょう。
休み時間や移動時間などちょっとしたスキマ時間に、サッと確認するだけでも記憶の掘り返しに繋がります。実は同じミスを過去にもしていたことがあったり、先週覚えたばかりの語句も忘れていたり…といったこともあるかもしれせん。取りこぼしをなくすためにも、スキマ時間での復習は重要です。

2-3. 試験直前に確認する

自分のわかっていなかったものがまとめてある「間違いノート」は、試験直前の最終確認にぴったりです。今まで勉強してきたことや覚えてきた項目を、頭の中に浮かべておさらいしましょう。
自分の勉強してきた〈努力の蓄積〉を眺めることで、これまで学習してきたことを最後に確認し、自信をもって試験本番に臨むことができるはずです。

3. 受験に活きる!「間違いノート」の作り方

大学受験でノートを活用してきた私自身の経験を基に、「間違いノート」の基本的な作り方を紹介します。もちろん、色ペンや付箋の使い方など自分にとってやりやすい方法もあると思うので、参考にしつつ自分なりにアレンジしてみてください。

3-1. ノートの基本的な作り方

「間違いノート」の基本的な作り方を世界史と古文単語の例を挙げつつ説明します。
まずは作り方の手順を見ていきましょう。

(1)1日の始めには日付を書き、間違えた単語・語句・公式・句形・文法などをメモします。

〈例1〉

新羅

高麗

〈例2〉

志・こころざし 

(2)メモした項目について簡単な説明を加えます。問題に関係した部分だけで構いません。

〈例1〉

新羅 7cくらい 都:慶州 

高麗

〈例2〉

志・こころざし 愛情・贈り物

(3)これまでの知識と関連付けた自分なりの説明や感想、簡単な図などを書き加えてみましょう。

〈例1〉

新羅 7cくらい 都:慶州 骨品制と仏国寺 

高麗 都は開城 918 王建 がたてる

新羅と渤海(契丹にやられる)は似たような時代 唐とかと同じ

〈例2〉

志・こころざし 愛情・贈り物 「こころざしはせむとす」

(4)線を引いておく・ペンの色を変えるなどして、項目が混ざらないようにしつつ、他の科目についても同じように1冊のノートに記録していきましょう。

【〈例1〉をまとめた実際のノート】

〈例1〉は世界史で、朝鮮半島の国家の年代的な順番を問う問題で間違えた時の内容です。
まず順番を間違えた国名を正しい順序で縦に並べて書き、次にその年代・都の名前・建国者などを、用語集や辞書、問題の解説文の内容を基に書き写しています。さらに3行目には、他の知識と関連付けるために、時代が近くて地理的にも近い国名を付け足しています。
このように暗記項目が多い世界史や日本史などでは、すでに自分の知識として吸収している内容を思いつく限り付け足しておくと、知識同士を結び付けて覚えやすくなります

【〈例2〉をまとめた実際のノート】

〈例2〉は覚えきれていなかった古文単語と意味、その単語を使った例文をメモしています。単語を覚えるためには、このように単語の意味と一緒に、教科書や単語帳に載っている例文を書き加えてみるのもよいでしょう。
国語や英語のような単語・語句などを覚える科目の場合には、例文を書き加える以外にも、問題の文章に出てきてわからなかった語句を列挙して意味を書き添えておく対義語・類義語を調べて付記しておくといった方法もおすすめです。
このようにして自分が間違えたものを記録してみましょう。

この時に重要なのが、あまりきれいに書こうとし過ぎないことです。最低限自分にだけわかれば良いのですから、美しくある必要はありません。整ったノートづくりが目的となってしまわないように、走り書きでメモを取る程度の気持ちで取り組みましょう。

3-2. さらに使いこむために

「間違いノート」をもっと自分だけのものにブラッシュアップするために、以下のような使い方もあります。

(1)数学の公式一覧や古文の助動詞一覧などを表紙の裏や裏表紙に貼る

自分が覚えなければならないものを1冊に集約することで、持ち歩く本を少なくすることができます。また貼りつけた表にも、わからなかったものに印をつけるなどしてどんどん書き込んでいきましょう。

2)付箋を活用する

ノートを見返して、自分がまだ覚えきれていないと思ったところや、重要だと思ったところには付箋を貼り、目立つようにするのも良いでしょう。間違えてしまった内容をさらにブラッシュアップし、効率的に復習することができます。

(3)色ペンを活用する

ノートを書く時に少し余裕があれば、暗記したい項目を〈ピンク・オレンジ・黄色〉のペンで書いてみましょう。これらの色ペンは赤シートで隠すと消えて見えるので、暗記をする時に役立ちます。

4. まとめ

日々の勉強の中で「間違えたもの」「わからなかったこと」は今後の課題であり、自分の伸びしろでもあります。効率的に覚え、ミスを次に生かすために「間違いノート」を有効に利用してみましょう。
ノートの作り方と活用方法のポイントは以下の通りです。

《ノートの作り方》

  1. 日付を書き、間違えた単語・語句・公式・句形・文法などをメモしていく。
  2. メモした項目について簡単な説明を加える。
  3. 自分なりの説明・感想、図などを書き加えていく。
  4. 他の項目と混ざらないように区切る。

《ノートの活用方法》

  1. その日のうちに間違えたものをまとめて寝る前に確認する。
  2. スキマ時間に今までのミスを復習する。
  3. 試験直前に確認する。

この他にも工夫次第で使い方を広げたり、自分に合った活用方法を見つけたり、「間違いノート」は受験生活での心強い武器になり得るでしょう。
ぜひノートを作り、日々の学習に役立ててみてください!

StudiCoサポーター Y.T.
お茶の水女子大学 文教育学部合格、早稲田大学 文学部合格、明治大学 文学部合格、津田塾大学 学芸学部合格