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[レベル別]大学受験の英語リスニング対策におすすめの参考書・問題集

2019.09.12

大学受験の英語において年々重要度が増しつつあるリスニング。得点力を養うための有効な対策として、参考書や問題集などの毎日使えるコンテンツを見つけたいですよね。
この記事では、世の中に数多く存在するリスニングの参考書・問題集の中から、選りすぐりの良書を取り上げてレベル別に紹介します。
今の実力や、志望大学が出題するリスニング問題の難易度に応じて、ぜひ自分に合った1冊を見つけてください。

1. 自分に合ったリスニングの参考書を選ぶために

リスニング力強化のための参考書・問題集は、他の分野(英文法、長文読解、英作文など)とは異なり、付属の音声がメインのコンテンツとなっているため、書店でパラパラとめくるだけでは、その本の特徴がわかりにくい傾向にあります。
そのため、学校・塾の先生からのアドバイスやこの記事を参考に、既に定評がある参考書・問題集を選ぶのがよいでしょう。
リスニングに限りませんが、基礎固めができていない内からいきなり難関大学入試対策用の問題集に手を出しても、効率的な実力アップは望めません。リスニング力を鍛えるには、ディクテーションやシャドーイングといったトレーニング法が大きな効果を発揮します。早い段階でこれらのトレーニングを開始し、徐々に難しい問題集へとステップアップしていくことが大切です。

2. [初級レベル]まずはリスニング力の基礎固め

リスニング力向上のためには、まずは「土台」となる「聞き取る力」を鍛える訓練から始めるのが定石です。そのために最も有効なトレーニングとされているのが、ディクテーションです。ディクテーションとは、聞き取った英語を書き取る練習法で、方法自体はシンプルですが、効果は絶大です。
ここで紹介する2冊の本は、どちらも「ディクテーション」のための参考書であり、本格的なリスニング対策の初めの1冊として取り組むのに最適です。
どちらの本も中学英語のレベルからスタートするので、高校1年生から始めることが可能ですし、英語に苦手意識がある人にもおすすめです。

ゼロからスタート英語を聞きとるトレーニングBOOK』(Jリサーチ出版)
中学レベルの簡単な語(句)の聞き取りからスタートするので、リスニングが苦手な人でも挫折せずに進めることができます。徐々にステップアップできる構成になっているので、ディクテーションの入門書として適しています。
そしてこの本を最後までやり切れば、センター試験のみならず、難関大学のリスニング試験にも十分対応できる力が身につくでしょう。
「リスニングは量より質!」と謳っており、問題数が多過ぎないのもポイント。問題数が多過ぎると圧倒されてしまう人や飽きっぽい人でも最後まで続けやすいつくりになっています。    

CD付 聞いて書きとる英語リスニング300問』(ディーエイチシー)
こちらも優れたディクテーションの入門書です。
「基本編」でネイティブ英語の発音の特徴を学んでから、「エクササイズ編」で問題演習を行う構成になっています。「初級150問」⇒「中級100問」⇒「上級50問」と、多くの問題量をこなしながらレベルアップを図れるように作られています。最初から最後までこなせば、確実に実力が身につくでしょう。
全300問という問題量があるので、問題演習を継続的に粘り強くこなせる人におすすめです。

リスニングの基礎力を高めるには、ディクテーションのように負荷をかけて取り組むトレーニングとは別に、比較的気楽に英語を聞く機会を日常的に設けておくこともコツの1つです
リスニング力向上のためには、まず英語に「慣れる」ということが肝心なので、例えば「今日は頑張って英語を6時間聞いたから、この先2カ月は英語を聞かなくていいや」というのでは、あまり意味がありません。それよりは、ほんの数分でもよいので毎日英語を聞く習慣を持つ方が効果的です。毎日は無理でも週に3回は電車通学の間に聞くなど、時間をうまくやりくりして英語に耳で触れる機会を確保しましょう。
そのために打ってつけなのがNHKのラジオ講座・テレビ講座です。コンテンツの質の高さ、アクセスのしやすさ、価格の手頃さなど、様々な点で高校生が取り組みやすい教材だと言えるでしょう。「自分の志望大学の入試対策に直結しないから」という理由で敬遠している人もいるかもしれませんが、継続的にリスニングの機会を設けるためのペースメーカーだと捉えてみてはいかがでしょう。
ラジオ講座だけでも数種類ありますので、書店に足を運ぶか、インターネットで調べるなどして、自分が一番楽しめそうなものを選んでください。
大切なのは続けることです。ここではラジオ講座の中から番組を1つ紹介します。

ラジオ英会話 ハートでつかめ! 英語の極意』(NHK出版)
大ベストセラー『一億人の英文法』(東進ブックス)で有名な大西泰斗先生が講師を務めるラジオ英会話講座です。
短時間(一回の講義は15分)で英会話のエッセンスを学ぶことができます。一回の講義時間が短いので、部活などで忙しい人でもスキマ時間を利用してリスニングの勉強ができるという大きなメリットがあります。
英会話のための講座ですが、ダイアローグを聞く・自分で発音するというプロセスを通じてリスニング力も身につきます。文法解説にも力が入っており、多角的に英語力を高めることができる番組です。
NHKが制作している英語のテレビ番組・ラジオ番組は他にも多数あり、こちらのサイトで番組一覧およびその内容を確認できます。

3. [中級レベル]シャドーイングからセンター試験リスニング対策まで

[初級レベル]ではディクテーションのトレーニングに適した参考書と、日常的に英語に触れるためのラジオ講座を紹介しました。
続いて[中級レベル]では、自分で声に出して練習するための参考書を紹介します。

まずは「シャドーイング」のトレーニングブックから。
シャドーイングとは、聞こえてくる英語音声を影(shadow)のように追いかけて発話する練習法であり、ディクテーションと並んでリスニング力アップに大きな効果を発揮します。大学受験でリスニングのテストを受ける人なら、誰でも取り組んでほしいトレーニングメソッドです。
シャドーイングを始めるのに最適なのが、以下の1冊です。

新ゼロからスタートシャドーイング 入門編』(Jリサーチ出版)
シャドーイングの入門書です。単語のシャドーイングから始まるので、どんなに英語の聞き取りが苦手な人でも、最初からつまずくことなく始められるでしょう。
書名には「入門編」とありますが、最後の章では「VOA生録英語シャドーイング」が課題となっています。VOA(=The Voice of America)とはアメリカの国営ラジオ放送局のこと。つまり、ネイティブスピーカーによるナチュラルスピードの英語をシャドーイングすることが最終的なゴールと設定されているのです。したがって、難関大学のリスニング試験対策としても、全く不足のない1冊と言えるでしょう。
リスニング力・スピーキング力が重視される近年においては、英語を学ぶ全ての受験生にシャドーイングのトレーニングをおすすめします。
シャドーイングの具体的な取り組み方については、こちらの記事にまとめてありますので参考にしてください。
>> 英語リスニングの2大トレーニング法「ディクテーション」と「シャドーイング」の極意とは!?

続いて紹介するのは、最新の入試傾向を押さえた1冊です。

“スピーキング”のための音読総演習』(桐原書店)
「4技能」を重視した今後の英語試験の変化を見据えた本で、現在書店に並ぶ英語参考書の中でもかなりユニークな1冊です。
書名にある「スピーキング」や「音読」といった言葉から、「リスニング力とは関係ないのでは?」と思うかもしれませんが、イントネーションや発音に注意しながら「英語らしく話す」訓練を積み重ねることで、ネイティブ英語を聞き取る力がしっかり身につきます。
高校生の間に英検を受験する人などは、面接対策を兼ねて本書を利用するとより効果が発揮されるでしょう。
また、英語に強い苦手意識を持つ人にもおすすめです。この1冊で英語らしい表現・発音・イントネーションを身につけ、英語という言語に慣れてしまえば、苦手意識の大部分は払拭されることでしょう。

リスニング基礎レベルの実力の「完成」として1つの目安とすべきなのが、センター試験のリスニングで満点を狙えるかどうかという指標です。
とはいえ、センター試験のリスニングは決して容易ではなく、特に近年は難化する傾向を見せているので、高得点~満点を取るのはなかなか大変です。
センター試験のリスニング問題で安定して満点近くを取れるようになれば、かなりリスニング力がついてきたという証になります
センター試験英語リスニング対策書の決定版とも言えるのが、次の1冊です。

センター英語〔リスニング〕 満点のコツ』(教学社)
単にセンター試験形式の類題が掲載されているだけではなく、正答率の低かった「差がつく問題」が過去問から精選されています。受験本番でライバルたちが失点しやすい問題で、確実に得点する力が身につくでしょう。
内容はディクテーションを重視した構成になっており、ディクテーションでリスニングの基礎訓練を積んできた人には格好の参考書と言えます。ネイティブスピーカーが話すナチュラルスピードの発音が学べるので、センター試験のリスニングに限らず、私立大学入試や国公立大学2次試験のリスニング対策にも役立ちます。
センター試験英語のリスニング問題で満点を狙う人には必携の1冊です。大学入試で受けるリスニングテストがセンター試験のみという人は、この1冊と過去問をカバーすれば、対策は万全と言えるでしょう。

. [上級レベル]難関大学のリスニング問題を攻略

続いて、難関大学入試のリスニング対策におすすめの参考書・問題集を紹介します。
志望大学がリスニング問題を出題する場合、できるだけ早い段階で過去問を調べ、出題傾向や難易度を確認しておきましょう。
教学社の“赤本”シリーズには、該当大学での出題傾向の分析が掲載されているのでしっかり目を通し、付属CDで音声を再生して、どのような内容が出題されてきたのかを確認しましょう。この時、必ずしも問題を解く必要はありませんが、読まれる英文の分量や出題形式はつかんでおく必要があります
志望大学入試の出題形式について概要が掴めたら、過去問を扱う上級レベルの問題集に挑戦してみましょう。

難関大のための 上級問題 特訓リスニング 難関大のための 上級問題 特訓リスニング
英語
リスニング
難関大のための 上級問題 特訓リスニング
0
宍戸 真/著
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【CD3枚付】難関大のための 上級問題 特訓リスニング』(旺文社)
難関大学のリスニング試験に特化した問題集です。
東京大学、一橋大学、東京外国語大学、京都大学、大阪大学、早稲田大学、青山学院大学など、難関大学で出題されたリスニング試験問題を収録しています。応用の効くリスニング力を身につけるためには、志望校以外の大学入試の問題形式に挑戦してみるのも効果があります。
ただし、この問題集に取り組む前に、センター試験レベルのリスニングで満点近くを安定的に取れるくらいには基礎を固めておかないと、歯が立たないかもしれません。

志望大学によっては、TEAPを利用した受験に挑戦する人もいるでしょう。
TEAPはまだ始まったばかりの新形式の試験なので、数年分の過去問にまとめて取り組むことができない分、対策本をぜひ1冊はこなしておきたいところです。

TEAP実践問題集 TEAP実践問題集
英語
英語資格(その他)
TEAP実践問題集
5
旺文社/編
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【CD2枚付】TEAP実践問題集 (大学入試合格のためのTEAP対策書)』(旺文社)
4技能型試験TEAPに特化した数少ない問題集の1つ。
TEAPに関する基本情報・問題構成・受験案内など、受験者であれば知っておきたい情報が網羅されています。また、TEAPで出題されやすい語彙・表現をまとめた巻末のハンドブックも便利です。

東京大学を目指す人には、リスニング問題のみ20年分をまとめた過去問(赤本)が刊行されていますので、要チェックです。

東大の英語リスニング20カ年[第6版] 東大の英語リスニング20カ年[第6版]
過去問題集
大学別
東大の英語リスニング20カ年[第6版]
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東大の英語リスニング20カ年[第6版]』(教学社)
東京大学のリスニング問題を20年分集めた過去問集で、傾向分析や対策など詳しい解説が掲載されています。
東大の英語入試問題におけるリスニングの配点は大きいので、受験するならぜひとも取り組んでおきたい1冊です。

5. 最難関大学のリスニング対策に挑んだ先輩の声

東京大学や東京外国語大学などが出題する、きわめて難易度の高いリスニング問題に対応するには、大学受験用教材のみにこだわらず、さらに高レベルの教材に挑戦してみることも考えてみましょう。
ここで、東大に合格した先輩の声を紹介します。

◆先輩の声「アメリカ英語以外の英語にも触れる」
私は元々英語が苦手で、特に志望校の東大のリスニング問題は難しいと感じていました。それでも、NHKのラジオ講座には1年間取り組み、一定の効果はあったと感じています。
もう1つ使っていたのが、『CNN ENGLISH EXPRESS』(朝日出版社/詳細は下記)という英語の学習誌です。東大の英語リスニングは、アメリカ英語以外の英語音声が流れることもあるため、イギリス英語やオーストラリア英語、その他、外国語アクセントの英語まで聞けるこの雑誌は、その点で役に立ちました。
(Yさん/東京大学合格)

CNN ENGLISH EXPRESS』(朝日出版社)
アメリカのニュース専門局CNNのニュースリポートを素材にした月刊英語学習誌。
最初に取り組む際のハードルは高いかもしれませんが、このレベルの英語が聞き取れるようになれば、難関大学のリスニング試験問題も相当楽に理解できるようになるでしょう。
アメリカ英語以外の発音(イギリス、オーストラリア、南アフリカなど)もたくさん聞くことができ、また実際に世界で起こっていることが素材になっているので、より実践的な内容と言えます。東京大学や東京外国語大学など、最高難度のリスニング試験を課す大学を受験する人は、一度利用を検討してみるのも良いでしょう。

6. まとめ

初級から上級まで、各レベルのリスニング対策に適した参考書・問題集を紹介しました。
これらのコンテンツに加え、大学受験のリスニングで高得点を取るために、以下の記事で挙げるような戦略・トレーニング・ツールの存在を学んでおきましょう。

参考書や問題集をうまく活用しながら「英語に強い耳」を身につけ、大学受験でのリスニングをぜひ得点源にしましょう!

岡本 眞一郎 先生(武南中学・高等学校)
1959年、東京都杉並区出身。’83年、都立赤羽商業高校に英語教諭として赴任。その後、都立忍岡高校、都立墨田川高校勤務、都立青山高校、都立戸山高校、都立白鷗中学高校を経て、2014年より埼玉県立春日部高校、埼玉県立浦和高校など、首都圏の進学校を歴任。’18年4月より、埼玉県私立の武南中学校・高等学校教諭(現職)。
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